ということで――
「これでキミもまた偉大なる一歩を踏み出したんだ」
カルディアスはディルナに感心していた、彼女はとうとうやったのだ。
「これで……お姉様にまた近づけたんだね――」
ディルナも嬉しそうにしていた。
「みんな! 滅びのカウントダウンは待ってくれない!
だからフィレイナさんが作り上げたこの技術と彼女が完成させたこの技術、
無駄にしないようフェルドゥーナ星へと急ぐのだ! いいな!」
そう言われてクルー一同は決意を新たにしていた。
フローナルは自分の部屋の外へと出て、窓から宇宙を眺めていた。
「ディルナさんもすごいですよね!
私からすればお姉様の仕事をちゃんと理解してそれを引き継いだなんて、
それだけでもすごいことだと思っていますからね!」
彼の後ろではシェリアとディルナが楽しそうに話をしながら歩いていた。
「そんなことないよ、だってこれは私の仕事だもの、だから私がやらなんなきゃ!」
それに対してフローナルは彼女らのほうへと向き直って言った。
「人には人の役割があるってか?
確かに、フィレイナだったらそう言ってたな」
それに対し、ディルナは嬉しそうに「うん!」と言って返した。
「役割かぁ……私もプリズム・ロードとしてますます精進しないといけませんね――」
シェリアは嬉しそうにそう言った、最初の頃は気を張っていたような印象の彼女、
フィレイナとの邂逅を経て随分と余裕のあるような態度へと、気持ちの変化が表れていた、
それだけフィレイナの存在は大きかったと言ってもいいのかもしれない。
そう、フィレイナの存在はそれだけ大きかったのだ。
メテオ・ナイツのクルーたちそれぞれが彼女との邂逅を経て態度が変わっていたのだった。
「女神フェルリン様! 女神フィレイナ様! 今日の仕事もうまくできますように! よし! 行くか!」
「おう! いつまでもちんたらしてると勝利の女神フィレイナ様に殺されちまうからな!」
「待ってくださいフィレイナ様! 今日こそあんたが満足するような仕事をして見せるぜ!」
「よーし、今の私はフィレイナ様……よし! 降りたっ! やるぞっ!」
今まで特に不真面目だったわけではないのだが、明らかに気持ちの引き締め方が変わっていたのだった。
そして、この方も――
「さあ、これで大丈夫じゃ! 行ってくるがよい!」
艦のクルーとして特段なにも能力を持っていないララミィだが、
彼女は医療クルーとして名乗り出てその座に収まっていた。
高度な魔法が使えるのでケガ人に対して回復魔法で支援しているのである。
「おう! ララミィさん! やっぱりフィレイナ様の血を持っているだけあるなあ!
よっしゃ、そうと決まったらこれから一仕事行ってくらぁ!」
と、そのクルーが去ると、そこへフェルメリアがやってきた。
「どうしたフェルメリアよ、お主もケガをしたのか?」
するとフェルメリアはチョコレートパフェを差し出して言った。
「いいえ! 疲れたんじゃないかと思って差し入れにきました!」
ララミィは嬉しそうに答えた。
「おお! これはわざわざすまぬな!
しかし、こうもおいしいものばかりとなると体型が気になって仕方がないもんじゃな、
身体を動かすのにちょうどよいもんがあればよいのじゃが――」
フェルメリアは嬉しそうに言った。
「それならちょうどいいものがあります!
バトル・シミュレータというものがありまして、
これまで遭遇してきた生物を相手に疑似戦闘ができるんですよ!
言うなれば――まあ、魔法で作った人形を相手に本番さながらの戦闘ができる場所とでもいいのかな?」
「なるほどのう! それはなんとも面白そうじゃ! 後で行ってみるかのう!」