フィレイナはリフェーラとリアンナ、そしてアリフローラの3人と共に夕食をとっていた。
「こうして、あんたたちと一緒にご飯食べるのって久しぶりね。」
そこへリフェーラは訊いた。
「ユーリシアとカリナは?」
リアンナが答えた。
「ユーリシアはトラジアータで男作ったからねぇ……」
えっ、そうなの? フィレイナは訊いた。
「ちょっとちょっと、何よソレ……私の子にしては超革命的なことしてくれてんじゃん♪」
とは言うが、
この家族の中では男ができるとしたらユーリシアだとは考えていた、当の本人だけ除いて……。
リフェーラは気が強くて少々男勝りなところがあり、
リアンナは気の強さは少々にフィレイナ譲りのブレーン的存在なクールな気質、
ユーリシアはそれとは対照的に可愛らしい女子という感じであり、まるで違う生物のようである。
そして残りのカリナだが――
「あの子はよくわかんないのよねぇ……」
と、リフェーラは言うがフィレイナは言った。
「カリナなんかは昔の私に本当にそっくりよ。
だからわからないぐらいがちょうどいいのよ。」
リフェーラが言い返した。
「わからないったって、全然わからないのはどうかしているんですけど!」
が、リアンナは――
「んなこと言ったらお母様だってそんなに変わんないでしょ。
それにリフェーラだって案外よくわかんないところあるしさ、
私だってあんた何考えてんだかわかんないなんて言われるのは日常茶飯事よ。」
いや、それっていいのか……?
「そうそう、女はそれぐらいミステリアスなところがあるのがちょうどいいのよ。
だからあんたっちも私ぐらいになれるようにちゃんと見習いなさいよ?」
フィレイナは得意げに言うとリフェーラとリアンナは苦言を呈した。
「得意げに言うけど、周りからは無茶苦茶って言われるのは何?」
「見習った結果と思ってもらえないかしら? それとも何かご不満?」
そんな光景に再びアリフローラは笑っていた。
すると3人も楽しそうに笑っていた。楽しい家庭だな。
それからさらに数か月後――ユーリシアとカリナはどんな人なんだろうと少し楽しみだったアリフローラ、
そのうちのカリナがやってきた。
「誰?」
アリフローラを見るなりいきなり一言……その雰囲気から超クールな女性である印象を受けた。
「あーら、カリナじゃない、おかえり♪ この子はアリフローラよ。」
フィレイナは優しく言うとカリナは頷いた。
「ただいま。よろしくアリフローラ。」
カリナは改まった。
「”ラジェン帝国”の実態を暴いてきた。
ダーセル連邦の残党が組織した連中の集まり……」
なるほど――フィレイナはそう考えた。ってか、いろんな連中がいるもんだな。
「あいつら……やっぱり裏があったのね。知らせてくれてありがとう。」
カリナは頷いた。
「フェレストレイアに戻ってきたのも久しぶりね。少し散歩してくるわね。」
と、外に出ようとするカリナに対してフィレイナが留めた。
「あっ、ちょっと待って。
行くのならアリフローラを連れてってくれない?
アリフローラったら、あんたたち姉妹に興味があるみたいなのよ。」
そう言われてカリナは頷いた。
「わかった。アリフローラ、行きましょ。」
話し方はそっけなさそうだが、その笑顔はフィレイナの子を思わせるような優しさに満ち溢れていた。
ことリリユカ四姉妹については性格がそれぞれはっきりと分かれているのが特徴だが、
長女のリフェーラは強気で粗暴――それがあらわすかのように、
武器は女性ながらに腕力もあるためか大剣で相手をぶっ潰していくような気性の荒いアマゾネスタイプである。
まさにフィレイナのパワフルさをそのまま表しているかのようなお方であり、
フェレストレイアの女戦士としての地位を保っている。
次に次女のリアンナは、まるでフィレイナの普段を表しているかのようなお方である。
それこそ他者から見てもフィレイナに一番性格が近い子だと言われるほどである。
そんなリアンナは冷静で頭がよく、それでいてマイペースという小さなフィレイナを見ているかのようである――
冷静さで言えばリアンナのほうに軍配が上がるのだが。
そんなリアンナの役割は戦士ではなくブレーンとしての存在、フェレストレイアの臣下の一人として成立している。
三女のユーリシアだが、姉たちとは打って変わって可愛らしいお転婆な女の子と、
その部分だけはフィレイナにそっくりだが、
大きくなったらお嫁さんになるんだというようなお姫様タイプの女の子である。
そう言った女の子らしい部分を含めてとにかく優しい女の子というのが特徴であり、
自分の娘にしては革命的な子というのが母親の弁である。
そんな彼女は当時までトラジアータの大使として任務を全うしていた。
そして、カリナは――