運命の黄昏 ~エンド・オブ・フェルドゥーナ~

第4章 未来をつなぐ者たち

第97節 フェレストレイアとの馴れ初め

 とある日のこと――
「何? どうしたの?」
 フィレイナはその場へ慌ててやってきた女性にそう訊いた、その女性は女の子を抱えていた。
「”ダーセル連邦”の連中の仕業です! この娘の母親が殺されたのです!」
 フィレイナは悩んでいた。
「あいつら……”連邦”名乗ってるからっていい気になってんじゃないわよ。 ったく……自分たちに与しない者は敵扱いかよ――」
「だからってこんな仕打ち! あんまりです! 何とかなりませんか!?」
 フィレイナは立ち上がった。
「そうね、犠牲者が出たからにはこのままにしておけないわね。 ったく……おとなしくしていればいい気になりやがって――」

 そして……フェレストレイアの反撃により、ダーセル連邦は痛い目にあった。 だが、それだけで連中は諦めたわけではなく、フェレストレイアからの宣戦布告と受け止め、 本格的にフェレストレイアへの侵攻を開始したのだった。
「あの人たちはどうして私たちをこんな目に合わせるのですか!」
 フェレストレイアの臣下たち――
「フェレストレイアは美しい星、それが欲しいのでしょう――」
 当時の女王メフィリアはそう言うとフィレイナは頷いた。
「ええ、それが妥当なところね。 だけど――ダーセル崩すにはうちらだけじゃあ力不足もいいところね――」
 するとそこへ――
「みなさん! 新たな勢力からのセッションが申し込まれております!」
 と、別の女性がそこにきてそう言うと――
「何者でしょう?」
 メフィリアはそう訊いた。
「はい! ”銀河連邦”を名乗る存在だそうです!」
 ”連邦”……ダーセルのこともあってか既に毛嫌いしている者たち。 だが、フィレイナは違った。
「え、銀河ってあの銀河?  なるほど……だったら私が話してみていいかしら?」
「ちょっと! フィレイナ! 正気!?」
「関わらないほうがいいわよ! どうせろくでもない連中に決まっているわ!」
「そうよ! そうよ!」
 そこへメフィリアが訊いた。
「何か秘策が?」
 フィレイナは頷いた。
「秘策というか……銀河連邦の中核にいる組織って確か”フェルドゥーナ星”だったわよね?」
 フェルドゥーナ? 何人かは首をかしげているとメフィリアは考え――
「”フェルドゥーナ”? まさか――」
 フィレイナは頷いた。
「フェレストレイアの元となった星―― そして、私たちの祖先もあの星の者たちよ。 だから話し合いに応じて見てもいいかもしれないわね――」
 えっ、正気!? 臣下たちは困惑しているとメフィリアは言った。
「確かに、フェルドゥーナ星の者ならフェレストレイアを侵略しようとなど考えたりしないことでしょう。 フェルドゥーナはとても美しい星――フェレストレイアのこの景観はかの星をモデルにしてできたものとされているハズです。 それならば通じ合えるものがあるかもしれませんね――」

 そして――銀河連邦の当時の宇宙探査艦との話し合いが始まった。 彼らは宇宙探査をしているのだという。 しかし、フェレストレイアは今ダーセル連邦ってところから侵略を受けようとしていることを伝えると、 銀河連邦の船はフェレストレイア入りを断念したのだった。
「ったく……やっぱりこの潔さよ――ダーセルの連中にも爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわね。」
「だけど――助けてはくださいませんでしたわね――」
「それは流石に無理でしょう、そもそもこの戦いに彼らを巻き込むわけにはまいりません、 これは私たちの戦いですから――」

 日増しに酷くなってくるフェレストレイアとの交戦、 互いに戦闘艦や小型戦闘艦を出して戦いを展開している――
「ったく、後ろがら空きなんですけど♪」
 フィレイナは小型戦闘艦からトリガーを引くと敵戦闘艦を撃墜! やっぱりあんたすげーわ。
「大丈夫よ、今助けてあげるわね! どーら……」
 と、仲間の機体がピンチ! フィレイナは駆けつけようとするが――
「はぁ!? ったく、ちょいと暴れたから目をつけられたみたいね、滅茶苦茶狙われてやんの。」
 自分がピンチに陥ってしまったようだ。
「もしかして、全部集まってる? そりゃそうよねえ、一番面倒な奴がいなくなれば後は何でもし放題だもんねぇ。」
 と、フィレイナはあちこち操作しつつ――
「面白いじゃない、やれるもんならやってみなさいな――」
 と、いきなり魔法を発動!
「さぁて、これがミスト・スクリーンという魔法で機械と併用した場合の効果…… ”シルグランディア”という存在がいかな者なのか、その身に染みるといいわよ……ふふっ」
 粘りに粘った後、そのうち銀河連邦が援軍を引き連れてやってきた。 そう、フェレストレイアの危機はこうして脱したのだった。