フィレイナも剣を抜いており、目の前の敵をいなしていた。
「敵の数が多いな、戦わせるつもりはないハズなのに申し訳ない――」
カルディアスはそう言うとフィレイナは頷いた。
「いいわよ、そもそもこれだけの数がいること自体が予定外、多少のことはやむなしよ。
もっとも、大半は倒してくれるんでしょ? だったらこの程度、大したことじゃないわよ。」
が、そこへ――
「こいつよもう! なんなのよこのケンタウロス!」
先ほどテレイズが戦ったようなタイプの機械兵がフィレイナめがけて突進!
「待ちなさい! あなたの相手はこの私よ!」
と、テレイズがケンタウロスめがけて横側から襲撃!
「頼もしいな――」
その光景をカルディアスは感心しているが、
「言ってないで、あんたも戦いなさいよ?
敵は多いのよ、艦長らしくちゃんと援護してあげないでどうするのよ?
さっきあんなこと言っときながら私の仕事増やしてどうするつもり?」
と、フィレイナからの苦言が……。
「確かにその通りではあるのだが、手厳しいな――」
カルディアスは悩んでいた。
なんとか敵をかいくぐり、先へと進んできた一行。
「ほら! どうですかお姉様!」
ディルナは何かをフィレイナに見せていた、それは――どうやら何かを作って見せているようだ。
「随分と上達したじゃないの、ここまでくれば上出来ね。
そうね――もしだったらこの武器を渡しておこうかしら?」
と、彼女は例のフェイズ・ガンを取り出した。
「えっ、そんな、お姉様の武器なのに――」
ディルナはそう言うとフィレイナは頷いた。
「そうよ、だから渡しておこうと思ってね。
あんまり使ってないし、ちょっと型が古いから改良が必要だろうけど、
ディルナに渡すんだからそんなこと心配しなくたって大丈夫よね。」
まあ――親愛なるお姉様がこうまで言うのだからありがたくいただいておこうか……ディルナは考えた。
「わかりました! 大切に使いますね!」
ディルナは”シルグランディア・スプレッド”を譲り受けた……大体名前がついている件。
さらに先に進むと、廊下のようなところへとやってきた、いよいよ――
「大きなエネルギー反応があるわね、もしかしたら”トリュオン”が近いのかもしれないわ――」
フィレイナは息を切らしながら言うと何人かが心配していた、
女性陣はすぐさま駆け寄り、男性陣は――
「大丈夫か!?」
「おっ、おい、無理すんなよマジで!」
カルディアスとアルドラスも焦っていた。
「流石に年寄りにはこたえるわね、でも――ここまで来たんだからへこたれている場合じゃないわね――」
と、彼女は再びしっかりとした足取りで立ち上がった、
ここまで来たら彼女の気持ちが優先か。
「フィレイナ! 今回の旅が最後だからね!
この後は何があってもフェレストレイアの落ち着いたところで過ごすのよ!」
テレイズはそう言うとフィレイナは頷いた。
「ふふっ、しょうがないわねえ……あなたの言うとおりにするわね。」
本当だよ――気が気でなかった。
通路を進み、さらにそこを抜けると広い場所へと出てきた。
そして、その奥には祭壇のようなものがあり――
「あれは! まさか、”トリュオン”では!?」
ララミィは指をさしてそう言うと、フェルメリアと共に慌てて駆け寄っていた。
「この形状に感じるこの力……恐らく、”トリュオン”に間違いない!」
と、ララミィは言うが、その時――
「侵入者を確認、直ちに排除します。繰り返します――」
なんと、ここまで来て再びセキュリティが――
「ララミィさん! 危ないです!」
と、フェルメリアは彼女を抱えてその場からすぐさま避けた!
すると、そこには上から機械のドラゴンのような生物が!
「Kerberos、待機モード解除。侵入者を排除せよ――」
これは――