彼女はフェルメリアの元へと戻ると、たくさんの服を並べていた……。
「こっ、こんなにたくさんですか!? そうですねぇ……」
どれを着ようかじっくり選ぼうとしている……やっぱり抵抗がないのか。
だが、ララミィの予定は……こうである。
「じっとしているのじゃ!」
えっ……あ、はい! フェルメリアはそう言われてじっとしていた、すると――
「えっ……!?」
ララミィの魔法が衣服を媒介にし、その布が彼女の身を包み込む!
「どうじゃ!?
わらわも自分の服を考えるときはこのようにするのじゃ!
きっと似合うと思うぞ!」
すると――
「素材的にはシェリアになんともそっくりなところがある……
彼女は少々抑えめじゃが見えるところは見えておる……
一族の証というのがそうさせておるようじゃがあれも流石というべきエロスを感じるものじゃ、やりおるのう……。
じゃからこの娘も――」
ララミィは考えていた、
フェルメリアはアイドル……彼女の青紫の透き通ったような髪に合わせて全体的に青を基調に、そして――
「これでどうじゃ――」
白のブラウスの上からなんとも清楚なお嬢様を彷彿させるワンピース姿、スカート部は短めである。
しかも彼女の大きなバストを締めるためと言わんばかりにボウタイリボンで結んでいる――
「見えそうで見えないという際どさを極限に突き詰め、
これなら男心をくすぐるようなエロスを感じつつ、彼女の清楚なイメージを引き出せとるのう!
しかもこの大きな胸! Fカップか!?
否……それは目の錯覚じゃ――そこそこ背が高いからもう少しありそうじゃな!
この胸も利用せぬ手はない! そうじゃ! お主は胸を出すがよい……否!
そのリボンをほどいたらその大きな胸があらわになると思わせるのじゃ!
それにはやはり胸元をしっかりと見せるは必要不可欠!
ヤバイぞ! それはエロイ! エロイが……ギリギリ清楚じゃ!
ついでに頭に大きなリボンをつけておけばイタイケで清楚な印象じゃ!
これでお主の身からは男の夢が膨らみ続けおる!
じゃが、それで悪いのはお主ではない……悪いのは圧倒的に男じゃ! 安心せい!
さあ……そのビジュアルで男心を速攻でぶち壊しに行くがよい! ぬはははははははは!」
ララミィはそう考えつつなんだか得意げな態度をしていた、
流石リリス・ロリスティ……エロスは重要な位置づけなのか。
「この服装! 可愛いです! とってもきれいです! ありがとうございます! こんな魔法が使えるんですね!」
いいってことよ……ララミィはもはやフィレイナかと言わんばかりに得意げな態度をしていた。
そして……エルゲリアスのいる部屋にて。
「あいつが邪悪の権化か――」
ララミィは悩んでいた、さて、どうしたもんだか。
すると、ララミィは――
「悩んでいる場合ではないな、何とかするか――」
が、しかし――
「バルザンド帝国の者ですね、この星を乗っ取ろうだなんて許しはしません!」
と、なんと、フェルメリアは何処からともなく剣を取り出すと、エルゲリアスの前に!
「遅かったではないか、女神フェルリンよ……」
とはいうが、彼女のその様相になんだか迷っていた。
「む? なんだ? どうした!? その服は似合わぬといったであろう!
その服を脱げ! お前はアバズレのヤリ○ン女豹女!
オスに襲い掛かるのに相応しき姿をするのだ!」
と言いつつ、何か機械のようなものを取り出すと――
「どうなっている!? 何故言うことをきかぬ!」
彼女は剣を構えたまま微動だにしない……ということはつまり――
「くそっ……この役立たずめ! そういうことか!」
機械を地面に叩きつけて壊していた。そこへララミィが入場。
「クハハッ! その通りじゃ!
この者を操り、彼女の妖の香を持って世界を混沌に陥れようとするお主の目論見もこれまでということじゃ!
残念じゃったな! じゃが、彼女のこの姿も捨てたもんではないぞ!
この姿はまさにエロスの塊! これに襲われたオスなぞイチコロに決まっておろう!」
それは言わんでもいいでしょ……。
とにかく、彼女は自分の妖の香の件について驚いていたが――
「あれ、変なの、いつも出てくる剣とは何か違う……」
フェルメリアは違和感を感じていた、
魔法で形成しているから妖の香が混じっているということか――。
「そうか……それならば仕方があるまいな……。
だが、私はただではやられぬ! 覚悟をすることだな!」
エルゲリアスはそう言いつつ、いきなり上に跳び上がった!
「あれは!」
「この場で貴様ら全員皆殺しにしてくれるわ! さあ……滅びるがよい!」
エルゲリアスは金属の骨格のような重機の……所謂強化アーマーに乗り込み、それが下へと落ちてくると、そのまま2人に襲い掛かった!
「うおおおおお!」
「ななななな!? なんじゃなんじゃ!? あれはなんなんじゃあ!?」
ララミィはパニックになっていた!
「ララミィさん! こっち!」
と、フェルメリアはとっさに反応!
彼女を抱きかかえ、その場から跳び上がるとそのままコンテナの上へ!
「フハハハハ! その程度で避けられると思うてか!」
と、彼女のいる方向に向かって追撃! しかし――
「ぐはぁっ!」
なんと、そこへ彼女の剣から放たれた強烈な光がそいつの拳に突き刺さった!
「な、なんだと!?」
と、エルゲリアスが見つめている先には自分をはっきりと見定めている、
凛々しくも美しい顔をした麗しい彼女の眼差しが!
「私はフェルドゥーナ星エターニスに生まれ出た精霊フェルメリア=シェラーリス!
この私が女になったというのなら都合がいい……
私の祖先の片割れは、かつて自らの美貌と力でこの世を闇に貶めたと言われる女神!
そのような者に連なる女である私に勝てるというのであれば示してみなさい! お前の力を!」
素敵だ! ”女神フェルメリア様”しか勝たん! これは女神落ちの下僕増殖案件だ!