そしてその後、フローナルたちは――
「予定救助者残り1名……
残りはラブラブらーにゃ♪のフェルミン様……つまりフェルメリアだけってことか――」
フローナルはコミュニケータを見て確認していた、そう言うことである。
「あと1人ですか……もう少しですね――」
シェリアはそう言った、だが――フローナルは考えていた。
「こんなに奥までくると人質見つけても戻るとき大変だな――」
そういえば……シェリアは悩んでいた。
「救出部隊も随分と後ろに置いてきていますからね、
奥に行けって言われている以上は――」
だからと言って見捨てるわけにもいかないし……2人は悩んでいた。
すると――
「なっ、なんだ!?」
なんと、急に工場の電気が落ちた!
すると、シェリアが先に魔法で灯りを照らし、
続いてフローナルも――
「ったく、連中め、やりたい放題だな――」
と、灯りをつけていた。
「もう、いきなり……」
すると……
「なんだ!? 誰かいる!?」
フローナルはすぐさま気が付くと構えていた――
「また人形かもしれません! なんだか妙に生々しい人形ですので――」
言われてみれば確かに……。すると――
「いや、この気配……間違いなく人だ!」
と、フローナルはその気配を感じた。
さらに先に進むと……間違いない、この先に誰かが立っている!
そして、恐らく工場の補助電源に切り替わったのだろう……
その場を確認すると――
「こっ、こいつは……!?」
「たっ、助けないと……!」
そこには、一つの十字架にまるで生贄のような縛り付けられた女神フェルリン様もとい、フェルメリアの姿が!
フェルメリアは例の女神様の服装だがそれとは少々異なっており、
胸元は大きなバストを強調するかのような、オープンショルダーでセクシーな装い、
下は深青色の、細くて綺麗な足が映えるような非常に短い丈のマイクロでミニなフレアスカート、
先ほどの人形と似たような長さのスカートだった。
そしてその上から羽衣で身を包んでいる――新しいプロモーションの衣装だろうか。
だが、それにしても少々刺激の強い様相である……男だよね?
「……どうしたんですか、フローナルさん?」
……えっ!? フローナルは我に返った……違う違う違う!
フローナルは首を振っていた……さっきから様子が変だぞこいつ。
「うぅっ、ここは……?」
彼女……いや、彼……いや、女性アイドルだから彼女でいいか。
「フェルメリア! 大丈夫か、しっかりしろ!」
フローナルは訴えかけた。
「えっ、もしかして私を助けに来てくださったのですか……?」
可愛らしい声……見た目だけではないと言うが、まさにこういうことらしい。
「そうだ! 助けに来たんだ! 待ってろ、今助けてやる!」
と言いつつ、フローナルはシェリアと共に彼女の縄を解いた!
「うっ……痛かった……」
彼女は解放されると同時に――
「おっ、おい……フェルメリア、しっかりしろ!」
フェルメリアはフローナルをしっかりと抱きかかえていた――
「あっ、ありがとうございます……優しい方――
私の知るあの方にとってもよく似てらっしゃいます――」
え、どうしたんだ彼女、記憶がないのか!? そこへフローナル、
「そうだ! 俺だ! フローナルだ! 大丈夫か!?」
そう言われてフェルメリアは気が付いた。
「えっ、まさか……本当にフローナルさんですか!?
久しぶりに会えてうれしいです! やっぱり優しいんですね――」
フローナルは呆れていた。
「おいおい、忘れんなよ。とにかく、ここからさっさと脱出するぞ……」
そう言われてフェルメリアは申し訳なさそうにしていた。
「ご、ごめんなさい……」
「わかったから、もう大丈夫だ」
とにかく、彼女の救出を考えることにしたフローナル。すると――
「あっ! 待ってください! この先にここを乗っ取った敵の将がいるんです!
それだけでもお教えしておかないと――」
この先か! フローナルは考えた。すると――
「シェリア! フェルメリアを連れて戻れ!」
えっ!? フローナルさんは……? シェリアは訊いた。
「俺はやつを叩く! だから先にフェルメリアと行ってろ!」
そっ、そんな……! だが――
「わかりました! シェリアさん……ですね!? お願いしてもいいですか!?
フローナルさんの言う通りにしましょう!」
と、彼女は言う。
「フローナルさんなら大丈夫だと思います!
彼を信じたいと思います!」
彼女としても異存なしか――シェリアは考えた。
「フローナルさん! 後はお願いします!」
「ああ、俺に任せておけ!」
そして2人は来た道を引き返すと、フローナルは単身敵の将を倒すために向かっていった……。
ところが――
「きゃあ! いやあ!」
シェリアの叫び声が!
「い、いやあ……いやあああ!」
フェルメリアの叫び声も!
「なっ!? くそっ……まさか、そう来たか――」
フローナルは彼女らの救出に向かうことにした!
「放して! 放してください!」
「助けて! 助けてえええええ!」
2人が誘拐されている! プリズム族の誘拐……まさか! フローナルは慌てて助けに行った!
「シェリア! フェルメリア! くそっ! 何がいるんだ!」
真っ直ぐ向かったフローナル、だが、途中で曲がったらしく――
「こっちか!」
フィレイナは悩んでいた。
「何よ急に!」
そして大暴れしていた――
「人形が……動き始めた!?」
そう、あちこちにある女神フェルリン様等身大フィギュアが急に動き出した!
が、フィレイナの周りにいる人形たちは瞬時にスクラップ化――
「ん? これは――」
ララミィは気が付いた――妖の香がする、と……
「いくらなんでも趣味悪すぎ……何がどーなってんのよ!」
と、フィレイアはキレ気味に奥をみると、そこから――
「ん!? お兄様!?」
その場にはフローナルが!
「だっ、ダメ! お姉様、今のお兄様は危険じゃ!」
ララミィが言うことに対してフィレイナも――
「ええ、この気配は間違いなく――」
と言いつつ、フィレイナは剣を取り出しつつ、フローナルへと襲撃した!
「私がこいつを抑えている! ララミィは奥に行って原因を取り除いてきて!」
そう言われ、ララミィは……
「……わらわが……やるしかないな!」
決意した――。