工場入り口……そこには帝国兵がたむろしているようだ。
「俺達が壊した戦闘艦が拠点母艦らしいな……」
入口からフローナルたちがこっそりと眺めていた。
「ということはマトモに通信できない状態ですかね?」
シェリアはそう訊くと、隊員たちが話をした。
「だと思うぜ――
連中の使っているシステムは母艦のシステムを使って分配しているみたいだからな。
現地間でも会話できるとは思うがいろいろと制約があるらしいぞ」
「セキュリティを重視するゆえの弊害ってやつだな、こうなるといいんだか悪いんだかって感じだな――」
フローナルは考え、そして剣を構えた――
「てぇことは……ここももう終わりってわけだ――さあ、行くぜ!」
そして、真正面から襲撃!
「てっ、敵襲! 撃て撃て!」
と、帝国兵たちが反応!
「お前たち、行け! 人質を救出しろ!」
フローナルとシェリアは次々と兵隊たちをいなしていく。
それと同時に他の戦闘員たちが人質を救出、いい感じで動いていた。
「フローナルさん! 私たちも奥に行きましょう!」
そして、その様子を見ていたカルディアス――
「予定通りに行っているみたいだな――」
人質が救出されているさまを見て安心していた、だが――
「なーんか引っかかるわねぇ……」
フィレイナは悩んでいた。
「あまりにうまくいきすぎておる……ということかのう?」
ララミィはそう訊いた。
「相手はバルザンド帝国、フェレストレイアでもいろいろとあってね、
追い出すのに面倒したのよ。」
追い出すって……カルディアスは驚いた。
「フェレストレイアに侵略を!?」
フィレイナは頷いた。
「侵略というよりは誘拐ね。
とりあえず、事なきを得られたのはいいんだけど1人だけ結局誘拐されたまま戻ることはなかった――」
えっ、どういうこと!?
「そんな! 諦めたというのか!?」
カルディアスは訊くと、フィレイナはため息をついた。
「もちろん、諦めていないわよ。
でも――今ある命を優先したのよ、誘拐されたのはドナーの臓器……
フェレストレイア先代の女王のものだからね――」
つまりは臓器が盗まれたということ……
「やつらは私たちがフェレストレイアをどのように支配していったのかを熟知している、
それを利用しようと思って襲撃したのでしょうね――」
そういうことか――カルディアスは悩んでいた。
すると、フィレイナはおもむろに――
「行くのか?」
カルディアスは訊いた。
「止めないでよ。」
フィレイナが言うとカルディアスは首を振った。
「行くなと言っても行くのだろう?」
そう言われるとフィレイナは去った。
「わらわがお姉様についていくぞ!」
ララミィもまた彼女を追って工場へと赴いた。
「くれぐれも無茶をするんじゃないぞ――」
カルディアスは呟いていた――みんなに言われてるな。
フローナルとシェリアはさらに先に進んでいた。
「ここにも人質がいるな……」
あたりを見渡しながら悩んでいたフローナル。そこへ――
「人質救出はお任せください。
フローナルさんとシェリアさんは奥に行って状況の把握をお願いいします!」
隊員に対して2人は頷いた。
そしてさらに先に進むフローナル、またしても妙な感覚が、それは――
「あれ! 一体何なんだ!?」
そこにはまたしても女神フェルリン様等身大フィギュアが立っている!
「こ、こうしてみるとなんだか不気味な光景ですね――」
フェレストレイア女王のような和装だが下はマイクロでミニなスカートの人形……
工場の一通路に無造作に配置されているそれはなんとも不気味にさえ思えてきた。
「俺達をかく乱するためか……ヤメやがって――」
フローナルはイラついていた。
だが、その光景は1か所にとどまらず、複数個所で――
「また人形か!? ったく、悪趣味だな――」
フローナルは悩んでいた。しかし、そこには――
「ん!? 何の音だ!?」
急に機械音が!
「あれではありませんか!?」
なんと、目の前には戦闘用のロボットが!
まさに突進に特化したような構造で、両腕であるアームにはマシンガンが装備……
「こいつは対人兵器か……」
2人は覚悟した!