運命の黄昏 ~エンド・オブ・フェルドゥーナ~

第2章 オンナの星

第31節 異様な惑星

 惑星UNP00002に到着――降下前にフローナルとフィレイアはそろって例の魔法の膜で自身の身を保護していた。
「持って2時間ってところかしら?」
 そんなにもつのか!? フローナルは焦っていた。
「なによ、随分と貧弱なバリアね。 ちょっと待ちなさい……ほーら――」
 と、なんと、フローナルのバリアを強化させていた!
「なっ、なんだこれは! すごい力だな!」
 すると……
「え……えっ!? なんです!?」
 フィレイアはシェリアを楽しそうに引っ張ってきた。
「あなたも一緒に行きましょうよ!  この力、あなたのほうがうまく使えるハズだしね!」
 と、フィレイアはシェリアにバリアを張った!
「わあ……すごく温かい力です……」
 シェリアは嬉しそうにしていた。
「艦長、あそこまで好きにさせていいんでしょうか――」
 流石のクルーたちも悩んでいた。
「まあ……この際だからいいことにしようか、日々勉強ということでな――」
 カルディアスは悩んでいた。

 そして、転送降下によって惑星へと降り立った3人。
「よし、無事に到着したぞ。 目の前に遺跡があるようだ、早速、調査を開始する――」
 と、フローナルはメテオ・ナイツに対して報告していた。
「さ、早いとこ行きましょ。思った通り、ここはなんとも厄介な星ね――」
 と言ったフィレイナ――
「なんですかこれは……エーテルが奪われていきます――」
 シェリアはスカートを押さえつつ言った、風が強くて服装が揺らめいている――
「こんなに”エーテル場”が乱れているところは初めてだ! くっ……」
 フローナルも身構えていた。
「確かに、私も初めてだわ――あまり長居はできないかもね――」
 彼女の服装もまた風によってはためいていた――

 何とかして遺跡の中に入り込んだ3人。
「中に入ってもエーテル場の乱れは続投中か――」
 フローナルは息を切らしていた。
「ほとんど死んでいる星ね、マナが随分と枯渇している…… エーテル場が乱れているというより魔法を行使する場合のエーテルの生成が間に合わないのよ――」
 ということはつまり――
「俺らが張っているバリア……長く持つのか!?」
 フローナルは驚いているが――
「ええ、それは平気よ。 だから私とシェリアがいるのよ、2人分の魔力タンクがいるからにはある程度は持つでしょうね、 それでも時間が限られていることに変わりはないけど――」
 それを見越して彼女を連れてきたのか――フローナルは悩んでいた。
「なら、大丈夫ですね! それでも、行動は速やかに行いましょうね、お兄様!」
 わかりました……フローナルは複雑だった。

 遺跡の中……ここは金属の内装で整っている鋼鉄の要塞といったところか、 なんでそんなのがこんな辺境の惑星にあるのだろうか――フローナルたちは悩んでいた。
「明らかに不自然極まりないわね――」
「異様な光景でしかないな。 それでアリフローラ=フェイテルって女は探りに来たってわけか――」
「そう言うことになりそうですね――」

 現れ来る魔物を倒しながらもなんとか突き進んでゆく3人。
「魔法をガンガン使っているようだが大丈夫か!?」
 フローナルは心配していた。
「平気よ、あんたの魔力はまるで底なしって言われるぐらいにはね。」
 フィレイナは得意げだった、どういうことだよ……フローナルは悩んでいた。
「頼むから、いくらあれだからってこんなところでくたばるのは勘弁してくれよな――」
 フローナルは切に願っていた。ホントだよ。

 さらに先に進むと――
「ん……? なんか、妙な感じになってきたぞ?  悪いが灯りを点けてはもらえるか?」
 すると――
「おぉっ! 明るいな! こんなものまで隠し持っていたのか――」
 と、フローナルは感動しているが――
「ん……なっ!? まさか、これも魔法か!?」
 そう、それもフィレイナが明るく照らし出している魔法だった。
「ええそう、昔からよくある魔法ね。 今のフェルドゥーナでは失伝魔法なの?」
 そもそもすぐさま電気で照らすのが一般的……失伝しているのも無理はないのである。
「そいつはもはや反省するしかないな」
「ええ、たっぷりと反省してよね、お兄様♪」
 彼女にはもはやかなわないフローナルだった。