運命の黄昏 ~エンド・オブ・フェルドゥーナ~

第2章 オンナの星

第27節 女同士の友情

 目的の星で回収作業を完了してきたフローナルとシェリア、 そこへディルナとフィレイナが迎え入れていた。
「ただいま!」
「おかえり! フローナルとシェリア!」
「おかえり。首尾よく言ったんじゃないかしら?」
 フローナルは頷いた。
「そっちは元祖シルグランディアさんの勉強をするんだって言ってたが、いい感じにやってるか?」
 フィレイナが答えた。
「ええ、流石に筋だけはイイ感じね、磨けば磨くほどどんどんといい感じに仕事してくれるからいいわね。 他の追随でありながらも自分のオリジナリティを全力で出していく精神…… まるで大昔の私を見ているみたいね、まさに技術は見て盗めを地で行くタイプ!  私の読みではもう来年には光出すタイプね!」
 よかった! 少なくとも滅亡までには間に合うようだ!  ともかく、なんともほのぼのとした光景……カルディアスは嬉しそうにそれを見ていた。
「まさに仲間だな……」

 その調子で次々と各惑星に隠されたものを探していたが――
「ここへ来て、ゴミが増えてきたな――」
 フローナルは悩んでいた。
「これは95億年前ぐらいの”アークデイル”後期のもの…… 見るからに、宇宙に何かを飛ばせるかどうか試してみました程度のものね。 つまり、それだけ宇宙に何かを飛ばすまでが大変だったってことの証明よね。」
 と、フィレイナの考察である。
「はあ……流石に疲れたわね、ちょっと休んできてもいいかしら?」
 フィレイナは汗をぬぐっていた。
「ああ、構わんが……だいぶ疲れているみたいだから早めに休むといい――」
 カルディアスはそう言うと、フィレイナはその場で一礼し、ゆっくりと去って行った。 それが心配になったシェリアとディルナは彼女の両脇をそれぞれ支えつつ、一緒に去った。
「大丈夫だろうか……?」
 フローナルはそうつぶやいた。
「早めに休むのも重要なことだ、フローナルも見習うといいんじゃないか?」
 カルディアスにそう言われるとフローナルは言い返した。
「それだけの話だったらいいんだがあの女、顔が真っ青だったぞ?」
 えっ!? するとそこへ――
「艦長! フェレストレイアからの入電です!」

 その一方で――
「大丈夫よ2人とも、ありがとうね……こんな可愛い子たちに支えられて嬉しいわね――」
 フィレイナは嬉しそうだった。
「大丈夫ですか!?」
「お姉様! ゆっくり休んでください!」
 2人は心配していた。
「そうね、久しぶりの宇宙……少し張り切りすぎたかもしれないわね――」

 そして――個室にて。フィレイナはベッドの上に座った。
「ふう……宇宙に出てこんな素敵なところで眠れるなんて私も幸せ者ね。」
 彼女は嬉しそうにしていた。もはや汗びっしょりだった。
「ゆっくり休んでください!」
 フィレイナは頷いた。
「ありがとう、2人とも――」
 そう言いつつ、フィレイナはポケットの中から何かを取り出した。
「何ですか?」
「ただのゴミよ、処分しておいてもらえるかしら?」
 と、シェリアは手渡された。
「ごめんね、ありがと。じゃ、お休みするわね――」
 と、彼女はそのまま眠り込んだ――

 2人はそのまま部屋から出てきた。
「お姉様、とっても疲れていたね――」
 ディルナが言うと、シェリアは訊いた。
「お姉様、ですか?」
 ディルナは嬉しそうに答えた。
「自分は女の子たちの面倒をよく見ているんだって言っていました。 それでみんなからお姉様お姉様慕われているそうなんです!」
 確かに! シェリアは嬉しそうだった。
「そうですよね! フィレイナさんはやっぱりお姉様ですよね!」
 と、シェリアは考えた。
「私、癒しの精霊らしく、お姉様についていてあげようかなって思います!」
 と、そう言いつつ、部屋を軽くノックすると部屋へと入った、すると――
「あっ、あら――まだそこにいたのね――」
 と、彼女は上体を起こしていた。
「お姉様、まだ起きてらしたんですか!?」
 と、シェリアは訊くと――
「あら! あなたにまでお姉様だなんて言われるとすごくうれしいわね!」
 なんだか楽しそうなフィレイナ。
「ごめんごめん、ちょっと寝姿勢変えようと思ってね――」
 彼女はそう言うと、シェリアはすかさずベッドに入り込み――
「お姉様、私が付いていてあげますよ!」
 と、そのままフィレイナに甘えていた。
「あらあら♪ こんなお人形みたいな可愛い子抱いて寝ちゃっていいのかしら?  なんとも贅沢なお休みねぇ♪」
 と、彼女は何とも嬉しそうにしていた。 そして、手に何か持っていたらしく、それを傍らのテーブルに置くと、そのまま2人は抱き合って眠っていた。
「これもゴミですよね、処分しておきますね! それじゃあ2人とも、おやすみなさい!」
 ディルナはそれを回収し、部屋を出て行った、すると――
「……なんだろ、気になるなぁ――」
 持っているゴミをダストボックスに入れようとした手前、そのままゴミを持ち去ることにした――