運命の黄昏 ~エンド・オブ・フェルドゥーナ~

第1章 滅亡までのカウントダウン

第11節 まさかまさかの邂逅劇

 しかし、その遺跡は何処からどう見ても家という感じしかしなかった。 それも少々大きめな家で、豪邸とは言わないまでも、なんとも立派な家であった。 カルディアスは再び分析すると――
「フェルドゥーナの中世期に実際にあった様式の建物のようだな、 つくづく我らが母星たるフェルドゥーナに縁のある星だな――」
 と、カルディアス、そう言えば最初の惑星での魔物もそうだった気が。 そして、扉の取っ手を握ると――
「ん? 開いてるのか?」
 こんな辺鄙な場所にある家、朽ちているわけでもなく施錠されているわけでもなく難なく入れそうだ。 だからこそ違和感だらけの建物、一体どうなっているのだろうか。
「特に危険な感じはしなさそうですが――」
 シェリアはコミュニケータを取り出してそう言ったが、フローナルは家の中へとさっさと入ってしまった。
「あ! フローナル!」
 だが、カルディアスは遮った。
「いや、ここは彼の行動に従おう、 この星の名前の時といい、なんだかわけがありそうだ。 必要なら後で事情を聴くことにしようじゃないか」
 確かに……彼の今の状況ではそのほうがいいかもしれない。

 内装は本当に普通の家って感じでしかなかった。 それも全く朽ちている様子もなく、むしろ温かみを感じるような光景でしかなかった。
「どうなっているんだ……」
 カルディアスは悩んでいるとシェリアは言った。
「なるほどです、気が付くのが遅れました。 この星……全体が魔法によって保たれているようです」
 なんだって!? ディルナとカルディアスの2人は驚いた。
「そ、そうなのか!?」
「これが魔法!?」
 だけど――シェリアは悩んでいた。
「それと彼を結びつけるものは何なのでしょう――」
 シェリアは心配そうにフローナルの後姿を見つめていた、 彼はひたすら廊下を進んでいくようだ。
 そして――
「なんか、部屋に入ったぞ――」
 カルディアスは言った、フローナルが急に廊下から部屋へと入った。 3人もそれにすかさずついていく。
 フローナルはあたりを見渡しているが――
「これは?」
 カルディアスは部屋の真ん中にあるテーブルの上にあるものに目が言った、 何かしらの額縁というか、枠だけの物体がそこにおいてあった。
「そうか、こいつか――こいつに呼ばれているような気がするんだ……」
 と、フローナル……ますますどうしたのだろうか。

 フローナルたちがいる光景とは似たような場所にて――
「ふう、やれやれ――こんな能力を持っているって言うのもあんまり楽じゃないもんだね――」
 とある男がソファへとゆっくりと座りつつそう言うと、 何やら絵の額縁のようなものを目の前に置いた、フローナルたちが目前にしている物体と全く同じような物体のようだ。
「もっとも、この能力を持っているからこそ守れるものもあるんだけどさ。 仕方がない、これが自分の役目と思って務めを果たそうか――」
 すると、その枠には何やら映像のようなものが――
「やあ! 待っていたよ! こうしてキミたちが来ることは分かっていたよ!」
 なにやら急にリラックスをしたような態度で話を始めていた。

 そして、フローナルたちがいる場所でも動きが――
「うわっ!? なんだ!?」
 なんと、その枠が急に光出すと、まるで映写機のように壁に向かって映像を照らし出した!  だが、それは映写機という割には妙にリアルな空間を映し出しており、 そこには妙に得意げな顔をした赤髪の男の姿が……。
「やあ! 待っていたよ! こうしてキミたちが来ることは分かっていたよ!」
 な、なんだこいつは!? 待っていたって!? 4人は驚いた。
「えーっと、まずは確認だけさせてくれないだろうか、 そちらは”フェルドゥーナ宇宙歴”っていうのかな? それの”697年”であっているかな?」
 何を聞いているんだ、どこのモグリなんだと思わざるを得ない発言であるが―― 素直に答えておくかと考えた。
「ああ、フェルドゥーナ宇宙歴697年であっているが――」
 それに対して男は答えた。
「そうか、それはよかった、間違えてはいないみたいだね、 キミたちもこうしてその星に都合よくやってきているようだしね」
 いやいや、それよりもこいつ、一体何者なんだろうか。
「私は”スクライト=ティルフレイジア”という。 信じられないかもしれないが、こちらはキミたちの時代よりも100億年以上前の時代、 正確には113億飛んで2749年前の”アーカネリアス”と呼ばれた時代から話をしているんだよ」
 なんだって!?