そして――いよいよ決戦へ……。
「近づけば近づくほどすごいパワーだ! もはや力という力しか存在してないんじゃねえか!?」
リアントスは言うとマグアスが言った。
「これは……あり得るな、いるのはおそらくこの世を混沌に陥れようとすることしか考えていない力だけの存在、
つまり、それ以外の感情を持たぬ完全なる”絶対悪”という存在――」
そう言われてリアントスは気が付いた。
「てぇことは破壊の感情しか持たねぇウロボロスみたいなもんか。
なら、強いかどうかは別にして、何の躊躇いもなく撃ち飛ばしていいってわけだな!」
「なーに言ってるの!? 最初から躊躇うつもりなんてないじゃん♪」
シュタルに突っ込まれてリアントスは得意げに答えた。
「ま、そうなんだけどな!」
マグアスも得意げな態度だった。
「ふん……エードビアスの悲願をここで晴らしてやるとしよう――」
「すごいです、こんなところまでくるなんて――」
ミュラナはその力を前に圧倒されていた。
「まさに私たちの里にある”聖地”……つまり、癒しの力場とはまるで正反対ですね――」
ラーシュリナはそう言うとシャルアンは頷いた。
「つまりは悪しき力場――そんなのが存在しているなんて、やはりプリズム・ロードとしては黙っているわけにはいかないよね!」
ラーシュリナは頷いた。
「当然です、このようなもの――存在を許してはなりませんね」
「だよね! 怯んでる場合じゃないわよね!」
ミュラナも決意した。
スクライティスは考えていた。
「どうかしました?」
ウェイドは訊いた。
「ふむ……なんとも興味深いな、この力場は……。
これだけのものを亜空間に隠していたということは、もしかしたらまだ隠されている可能性がありそうだと思ってね」
そんなことが! ウェイドは訊いた。
「言ってしまえば、相当なパワーを隠していた空間がこれまでずっと見つからずにあったということでもある。
普通なら見つかったっておかしくはないということなんだ。
そして、これだけの力場があればまさに次元を超越した別の空間が作られていてもおかしくはないということ、
まだまだ我々に認知されずにある空間がそこかしこにあるというとも言えるね」
ということは――
「マグアスさんとレイさんの話からすると、
せっかく世界を破壊してまで放った”テラ・フレア”というものだけでは足りないということですかね!?」
「まさにそうなるね、言い換えると世界を犠牲にしてまでやる行為ではなかったということだね」
ウェイドは悩んでいた。
「教訓ということですね。
とはいえ、そういった他の空間があっても、そちらについては我々は手出し不要ということになりそうですか?」
スクライティスは頷いた。
「ここまで旅していれば流石にわかってるね。
そう、そこまでパワーのデカイ空間となると、流石に精霊界が黙っちゃいないからね。
でも、それでも精霊界でさえも手に負えない空間が出たら――」
「簡単ですよ、それはその時々の英雄たちの出番になるだけですからね。
ただし! 今回は私たちの出番です!」
「流石にわかっているねぇー」
レミシアは考えていた。
「どうしたの姉様?」
ディアは訊いた。
「こんだけのドデカイパワー……ようもまあ無駄に維持してられんなって。
だけど……こんだけのパワーがあればこの世を復興させるのも捗るわよね。」
ディアは唖然としていた。
「こんな時でも考えるのそれ?」
「他に何考えるのよ。
例え悪しきパワーだろうがなんだろうが平和目的に有効活用できればなんでもいいでしょ。」
マジかよ……ディアはますます悩んでいた。
「姉様のそういうとこ、マジでブレねえよな。
でも、そいつには俺も同意見だな、言ってしまえばパワーの無駄遣いってことだからな、
それには俺も流石に賛同できねえし」
「そう、エネルギーの無駄遣い。
なんでヤバイやつに限ってこういうやつばっかりなんだろうね?」
「簡単だろ、ヤバイやつだからだな」
その発言にレミシアが非常に興味を持っていた。
「おおっ! 言うわね!
まあいいわ、万が一のことなんてないと思うけど一応念のために言っとくわね。
せっかく聖獣になったんだから再び魔がさしたとか言わせないようにしっかりと頑張んなさいよ。」
そう言われてディアは背筋をしっかりと伸ばして答えた。
「はいっ! レミシアお姉様っ!」
最後に――
「私の役目も一旦終わりそう?」
ヴィラネシアが言うとレイが答えた。
「そしたら私らの役目も一旦終わるね! そうと決まったらもうひと踏ん張りだよ!」
クラナも言った。
「そういうことだね。
名残惜しくはあるけど、でも、世の中の平和こそが一番だからね」
ヴィラネシアは頷いた。
「そうよね! 平和こそが一番よね!」