そして反転攻勢へ。
「撃たないほうがいいね、そのわきからパワーを吸収されてまた撃たれてしまうからね……」
クラナはそういうとマグアスは悩んでいた。
「下のほうからパワーを吸収するための機構が備わっているというのか。
だが、それでも撃ち落さんとまともに進むことなど――」
レミシアが言った。
「別に下を狙って撃たなくたっていいでしょ、狙うべきは上からよ、それしかないわね――」
上からということは、つまり――
「だったら上にあたるように狙うまでだ!」
リアントスは飛翔体の上にあたるようにさらに上を狙った。
「そんなんで当たるのか!?」
マグアスは訊いた。
「弓矢っつったら普通は放物線軌道を描くもんだ。
要は落下する軌道も計算して命中することを考えれば上を狙うこともできるってこったな。まあ、見てな」
リアントスは得意げに撃ち込んだ! だが――
「なるほど、確かに当たったようですが――」
ウェイドは言うとリアントスは悩んでいた。
「なかなかしぶといやつだな、この程度じゃ落ちねえってか!」
と、再びリアントスは構えた……が、しかし――
「あっ、あれ!」
飛翔体のさらに上から何かが飛翔体のほうへと吸い込まれるように落下してきた!
「あ……そういえばそのほうが早かったな――」
リアントスはその光景を見て呆気に取られていた。
飛翔体はそのまま橋の下のほうへと落下していった、
飛翔体はちょうど自動車ぐらいの大きさで円盤状の形だった。
で、その円盤が何故落ちたかというと――
「お疲れ。フェザー・ブレイドとしてはもう一人前ね。」
レミシアは得意げに言った。そう、フェザー・ブレイド――レイが跳び上がって上から叩き落したのである。
「やった! お姉様からお墨付きをもらった!」
レイは嬉しそうに言った。その様にクレアとシュタルも沸いていた。
「レイさん! すごいです! 私にはマネできません!」
「レイもすごーい! 流石だねぇ!」
リアントスは考えていた。
「……ふん、あの流れはきっと未来永劫続くってわけだな」
未来永劫? ウェイドは訊いた。
「そもそもあれだけの飛翔能力を持っていること自体が信じられないのに追随が出てくるんですか……?」
リアントスは何食わぬ顔で答えた。
「あの手の使い手は全部スカイ・アタッカーっていう使い手の派生だからな。
そういう流派がある以上は続々と使い手が現れるのは確実だが――
俺が言いたかったのはあの女共のあの状態を刺して言っていたんだが……」
それが表すかのように、プリズム三姉妹とヴィラネシアもレイやレミシアたちに混じって楽しそうに話し合っていた。
「ったく、女というのはすぐに群れたがるな――」
マグアスは呆れているとクラナが答えた。
「悪かったね、女ってのは得てしてそう言うもんだよ。
私もクロノリアでクラナとしている間は昔からの知人とはあんな感じで話し合っているからね。
それに女ってのは”局”を中心にして派閥を作って派閥同士で醜い争いをすることもあるんだけど、
それがないだけなんとも平和な集まりじゃないか、大目に見てあげなよ」
そうなのか――マグアスは悩んでいた。
「そうそう! 女性は仲良さそうに話し合っているのがいいんだよ!」
「ですよね! 私もそう思います!」
ディアとウェイドは肯定していた、純粋にスケベ共という感じではあるのだが、
「だな、楽しそうだからいいじゃねえか。
結果論でしかねえんだが、俺としてはああいう女の集まりの中にとんでもねえ女がいると思っているからな、
マジで世界を救っちまうような女がな――」
と、リアントスはレミシアを見ながらそう言って肯定していた、さらに――
「だろ? セレイナ――」
東の空を見上げながらつぶやいた、やはり昔の仲間の存在はそれだけ大きかったということか。
なんとかして橋を渡りきると、そのさらに奥にはなおも禍々しい装いの岩場が。
クレーターが形成していてその周囲には強力な力場によってあたりの岩々が宙に浮いている状態……
まあ、そんな感じである。
「まさにラストバトルを思わせる光景ってわけだね!」
レイはうずうずしていた。
「この中央にいるらしい禁じられた災悪ってのを斃せばすべてがおさまるんだ。
この時代の英雄に課せられた使命はそいつを斃すことらしいね」
クラナはそういうとスクライティスは考えた。
「時代の英雄か……まさかこの私までその中の一員になれるとはとても光栄なことだね」
レイは元気よく突っ込んだ。
「それはつまり”お前も役に立て”ってことでしょ!」
いよいよ言われてしまったようだ。
「あははっ! 次代のクロノーラは手厳しいじゃないか!
それなら私もまだまだ負けてらんないわね、レイのおかげで久々に火が付いたよ、
だからレイにこの代を譲るのはもう少し待っていてもらうことにしようかね!」
クラナは嬉しそうに言うとレイも嬉しそうに答えた。
「私もせっかく長になったばっかりだからね! それまではまだまだクラナに頑張ってもらいたいな!」