ということで、一路まさかのクロノリアへとリターン……これはデジャヴだな。
それからというもの、レイは試練の祠へとこもって……いなかった。
「レイ! あんた、何か知っているって顔しているわね!」
女のカンが鋭いレミシアはそう訊くとシュタルも訊いた。
「えっ、ナニナニ!? そうなの!?」
「だったらもったいぶってないでさっさと教えてほしいもんだ」
リアントスはつっけんどんに訊いてきた。すると、レイは言った。
「とにかく、みんな! シュリウス遺跡に集合だよ!」
シュリウス遺跡! その言葉にレミシアとリアントスとシュタルの3人が激しく反応した。
すると、レミシアは遺跡にいるディアに話をしてからエルトーナへ行くと、
リアカーで例のデバイスを取りに行った。
そして……
「確かこの辺にあるって……」
レイとともにディアはシュリウス遺跡の南方に位置する森林の中で妙な石碑のあるあたりの地面をほじくり返していた。
すると――
「ん? なんかあるぞ!?」
ディアは地面をさらに掘り返した。
「こっ、これは!」
なんと、そこには一本の剣が!
「手紙があるぞ!? えぇっと……ちゃんと作ってやったんだからちゃんとうまくしなさいよ……!?」
そこへレミシアが現れた。
「あら、本当にあったのね? まあいいわ、全ては運命の思し召しってやつみたいだからね。
ネシェラの時代ではそれを作るのが精いっぱいみたいだったらしいのよ。
でも、今回の計画では一番重要な部品がその”フェイタル・クロニクル”って剣らしいから、
ネシェラもよくやってくれたわよ。」
と、彼女は言うが、リアカーにはなんか滅茶苦茶たくさんの部品が搭載してあり、
後ろの方にもアトローナシアの技術者たちが……
「えぇーっ!? それ、全部姉様のご先祖様たちが今まで作っていた部品だろ!? 一体、これから何が始まるっていうんだ!?」
ディアはうろたえていた。
”フェイタル・クロニクル”はレイが携えることに。
そして、シュリウスの遺跡の入り口にはなんだか急ピッチで砲台兵器が建造されていた……。
「どっ、どうなっているんですか!?」
クレアはクラナに抱えられながらその場にやってきていた、試練の祠で顔をぶつけた後だな。
「何かありましたか? どうしたんですか一体!?」
ウェイドは訊くとレミシアが話をした。
「忘れてんのはここってこと。
忙しいから詳しい話はそいつから訊いてね。」
と、マグアスとリアントスを指名していった。だが、レイが遮って話した。
「シュリウスは200年前の世界崩壊前から滅んだ状態!
いや、そもそも10億年前からこんな状態!
それがどうしてなんだろうねってこと!」
そう言われてマグアスとリアントスはうろたえていた。レイは話を続けた。
「”グローナシア”ではシュリウスの町があったみたいだけど一夜にして滅んでそれっきりなんだよね?」
ヴィラネシアにそう訊くと彼女は感心していた。
「あら! 流石ね! クロノリアの長となるとそんなことまで分かっちゃうのね!」
レイは得意げだった……まさにクロノリアのなせる業か。
「おーい! ガトーラ!」
レイはすかさず訊くとリアントスはそいつの気配に気が付き――
「お前!」
もんくありげに訊こうとしたが、ガトーラはすかさず言った。
「もんくがあるならそっちに言ってくんないかい?
私の力はあくまで噂や言い伝えだけを伝聞するだけ……
でも、レイはどうやらそれをはるかに上回ってきたらしい、もはやお手上げだよ――」
た、確かに……リアントスはそっとレイを見るが、
彼女はレミシアのごとく超得意げな態度でたたずんでいた、どうなっているんだ……?
「心当たりがあるようなないような……でも、それがもし本当だとすると、
これは早々にレイにクロノーラの座を明け渡さなくてはいけないようだね……」
クラナは悩んでいた。