そして――
「ごめんねレイ、何度もお手を煩わせることになって――」
「いいのいいの! どうせならより良いものがいいからね! 早速始めようよ!」
ということで――
「よし、そうと決まったらフィールド再展開よ!」
そう、クロノリアのフィールドを再度構築しているのであった。
そして、それにより――
「うん? 何も変わったようには見えんが……」
と、マグアスは言うとレミシアは得意げに答えた。
「内側からはね。外から見ると違って見えるわよ。」
ということで――
「ほほう……外からはあからさまにドーム型の何かがクロノリアを覆っているように見えるのに、
内側から見てもそんなふうには見えないのか……」
と、ガトーラは言った、例によってアーケディスへとやってきていたレイたちである。
「そう、外からはあからさまにクロノリアには入れませんぜって見た目にしたかったのよ。
だからって内側からも出られませんぜってしたくなかったからフィールドを作り直したのよ。」
レミシアはそう話した。外からは青空はくっきりと見えるが、
外からは何か薄い膜のようなものが遮っているように見えるのである。
「無論、山道は双方からも通れませんぜって見た目になっているんだけどね!」
と、レイは嬉しそうに言った。そうなっているのか。
「ところで、今回呼び出したのは?」
クラナはそう訊くとガトーラは頷いた。
「キミたちに案内したいところがあるんだ」
レイたちは指定された場所へと赴くことにした、そこは――
「森の中へと入っていくわね、この先って確か――」
レミシアは言うとレイが言った。
「クレンディスの聖堂……でも、それにしてはちょっと南過ぎる気が……」
しかし、そのうちなんだか不自然な装いの遺跡の町が現れた……
「こっ、こんなところに町が!?」
マグアスは困惑していた。
「なっ、なんだこれ!? クラナ、ここって一体何なんだ!?」
ディアも困惑しながら訊くとクラナは呆れた様子で答えた。
「さあてね、私もこんなとこがあるなんて初めて知ったよ」
そこへクレアが――
「変ですね、この町は何故か時が止まっているかのように感じます、一体どうしたことでしょう――」
クラナは考えた。
「言われてみればそうだね、なんていうか、時に見放された空間って感じがするよ、一体どういうことだろうね?」
すると、町の中から例のド派手でグラマラスな女が現れた。
「あら♪ あの聖獣ってやつに言伝をしといて正解だったわね♪
ようこそ、私の町”ハーハラル”へ♪ この私、”ヴィラネシア”があんたたちを案内するわね♪」
そういえば名前を聞くのは初めてか。
ヴィラネシアは妙な女だった。
服装はやはり例によってグラマラスでセクシーな装い、シースルーの生地で男心を破壊しにかかっているような感じである。
それが示すかのように、ディアもウェイドもじっと眺めて見惚れていた。
だが、スクライティスはやっぱり我関せずであり、マグアスもそんな感覚がぶち壊れているのだろう、興味を示さなかった。
ってか、どうしてこんな恰好!?
「これは――ヴィラネシアと一緒に創造主が作り出した空間みたいなもんといえばいいのかな?」
スクライティスは言うとヴィラネシアは答えた。
「ええ、一応そういうものだとして私の中では認識しているわね。
無論、必要な時にしか出現しないっていうからくりらしいけど――」
必要な時? レイは訊くとレミシアは言った。
「なーんか分かった気がする、あれでしょ、
創造主がっていうぐらいだからまさに創造主の匙加減でしか活動しないっていう事なんでしょ?
あんたもこの町の存在も――」
ヴィラネシアは考えた。
「うーん、まあ……言われてみればそんな感じがするわね。
そもそもこの町はもっと大昔からあったような気がするからね。
そう……私はもちろんだけど、あのジェラレンドも随分前からいるはずだからさ、
この町は私の存在とともにいるハズの町なのよ、だから――」
では、どうして今の時代に現れたのか、それが気になるところである、純粋に使命感から?
「その答えは神(創造主)のみぞ知るってところなんじゃないの?」
と、レミシアはつっけんどんに言った……なるほど。
「神(創造主)ってーのはなんとも気まぐれなやっちゃな……」
レイは呆れていた。
レイたちはとある一室へと促されると、そこにはリアントスとシュタルが席についてなにやら飲み物を飲んでいた。
彼らはクロノリアのフィールドを再構築した直後に一度精霊界に戻っていたのである。
「よう、先に来ていたぞ」
「やっ♪ レイ♪ レミシアお姉様♪」
レミシアは頷いた。
「いたのね、大精霊様たち。」
リアントスは悩んでいた。
「……正式には違うんだが――まあ、当たらずしも遠からずってか」
「そうだよ! リアントスなら同じようなものじゃん!」