何とかしてほしいこの状況、そのリアントスの願いは早くもかなえられそうである。
「ん? これは一体なんだ?」
邪悪なる者は驚いていた、目の前にいきなり魔法の渦まきのようなものが現れたのである。
「あーっ! これだ!」
ダークエルフの女が気が付いた。
「これが流れってやつか!? そういえば俺もこれを見たぞ!?」
リアントスは言った、そうなの? 女は訊いた。
「その結果、現れたのがこの黒い野郎だ。
まさか、また変なのが出てくるんじゃねえだろうな――」
また世界の脅威たる存在が!? すると――
「あーら♪ なんだかおもしろいことになっているじゃないのよん♪」
……どこからどう見てもグラマラスでセクシーな装いをしている女が現れた。
その女の姿、レミシアよろしく豊満なバストではあるが、
その胸が形成する深い谷間開きの白のオフショルなトップスと白いレース地のフレアーなミニスカート姿で、
着ている服がすべてシースルーの生地のようで素肌がすべて露出していた。
唯一、2局部のみしっかりとした白い布で覆われていて、隠すところは隠されていた。
とはいえ、その豊満なボディとセクシーダイナマイトなプロポーションのその姿、
たいていの男だったら喜ぶこと請け合いだろうそのフォルム、
そして――赤みが強めの紫の美しい髪の毛、その女の背丈ほどはありそうな長い髪の毛は綺麗にまとめられ、
いろんな装飾が施されていた。
そんな相手に……誰しもが困惑していた。
「なんだ、何がどうなっているんだ……」
マグアスは悩んでいた。
「ああ、俺もそう思ったところだ」
リアントスも思い悩んでいた。
「今度は一体何だってんだい?」
クラナも呆れていた。
「さてと、この場で一番のおバカさんは――」
女は周囲を見ながら考えると、邪悪なる者の方へと向いた。
「そうね、どう考えてもあんたみたいね♪」
邪悪なる者は反応した。
「なんだ貴様は!? まさか、この我に挑もうというのか!?」
グラマラスな女は嬉しそうに答えた。
「ウフフフフッ、そうよ、ア・タ・リ♥ さ、そうと決まったらさっさとおねんねしましょうね♪」
女はムチを取り出すと、そのムチをなぜかリアントスの身体に巻き付けた!
「なっ!? なんだ!?」
すると、女はリアントスに言い寄って――
「あんたの欲しいものはなーにかしらん? ねぇ、教えて……オ・ネ・ガ・イ♥」
色っぽく訊ねた……こっ、これは――
「おっ、俺が欲しいものはただ一つ……」
リアントスは――
「ウフフフフッ、アタシの言うことを訊いてくれたらあなたの好きなことをやらせてア・ゲ・ル♥」
その女にさらに誘惑されすると、リアントスは邪悪なる者にボウガンを向け――
「俺が欲しいのは……そうだ、俺が欲しいのはセレイナ……いや、女神セレイナ様はこの俺のものだ!
俺は女神セレイナ様のためにお前をぶち殺す!」
リアントスは一心不乱に打ち続けた!
「なっ!? なんと……そんなことが、そんなことが――」
邪悪なる者は消え去った……。
「ウフフッ♪ たとえ私の他に心に決めた女がいたとしても、一途なナイト様は私も大好物よぉん♥」
女はなんだか嬉しそうだった。
リアントスやレイたちは気が付いた。
「ちっ、一体何がどうだっていうんだ――」
「うぅっ……頭痛いよぉ――」
彼らは悩んでいた。
「てか、お前、なんなんだよ?」
リアントスは女に訊いた。
「さぁねえ? 私は見ての通りの存在、それ以上でも以下でもないわよ。
そもそもどうしてここにいるかもわかっていないのよ。
ただ――今斃した”ジェラレンド”と呼ばれるやつを斃さないといけないことだけはなんとなくだけどわかっていたのよ」
ジェラレンド? あいつはそういうやつなのか、そう訊いた。
「さあ? そう呼ばれている……それだけのことよ、詳しいことはわからないけどね」
わからない?
「そうよ、さっぱりわからないのよ。
でも、私はただ、今のようなやつを斃さなければ気が済まない――そう思ってもらえると嬉しいわね。
言ってしまえばヴァナスティアの教えにもあるような時代の英雄のごく一部みたいなものと思ってもらえればいいんじゃないかしら?」
自分からそう言うとは――だが、それにしては妙な女である。
「それにしては妙な装いをしているな。目的は本当にそれだけか?」
マグアスは怪しんでいた。すると女は嬉しそうに言った。
「まさか! そんなわけないでしょ♪
私の好きなものはずばりイケメンよ♪ そう、例えばあんたみたいなのがね♪」
と、リアントスに急接近、だが、リアントスの顔は引きつっていた。
「おっ、おい、やめろよ……俺には――」
「ええ、心に決めている女がいるんでしょ? ちゃんと聞いたわよ、愛しているのよねぇん♥」
リアントスは頭を抱えていた。
「そういう話も大好物♥ やっぱりイケメンはいいわよねぇん♥」
リアントスはさらに悩んでいた。
「ウフフッ、可愛いわね♥ 彼女には見せないそういう可愛らしい姿は私がしっかりといただいたわ♪」
ど、どういうことだよ……リアントスの悩みは尽きない。
「さてと、お戯れはここまでにして、そろそろお暇しないとね★」
というと、女は有無を言わさずその場を去ってしまった。
「ちっ! なんなんだあのアマ! ふざけたやつだな!」
リアントスはキレていた。
「何だったのかなあの人――」
レイはそう言うとレミシアが答えた。
「ええ、おそらくは、この世界は思ったよりも深いということね。」
それこそどういうことだよ。