ラーシュリナは嫌そうにしていた、というのも――
「ようよう! 姉ちゃん美人だなァ! ウヘヘ!」
「俺らと一緒にイイコトしようぜ! なァ! デヘヘ!」
「姉ちゃんって本当にイイ女だよなァ! ゲヘヘヘヘ!」
宿場町では悪漢に襲われていた――
「嫌です! あっちに行ってください!」
どう考えても彼女は女性だと思うのですが。
「ラーシュリナお姉ちゃんの危機が!」
レイが出ようとすると、レミシアがご挨拶と言わんばかりにラーシュリナの前に出てきた。
「ここは任せて。
さあさ、ラーシュリナ、こんなのほっといてあっちに行きましょ。」
すると、男たちはレミシアのほうにも矛先を――
「おっ!? 姉ちゃんもイイ女じゃねえかよ!」
「そこの女もいい感じじゃねえかァ!? こっちにこいよ! フヘヘ!」
ついでにレイの存在に気が付いてしまったようだ。
「やれやれ……。
私ら、あんたらみたいな見るからに壊滅的に頭の悪そーな世界のゴミにもなれなかった謎の廃棄物には興味がないのよ。
それがわかったらあっちに行きなさいよ。」
レミシアはそう言うが、悪漢の1人が――
「ん……よくわかんなかったが美人の姉ちゃんだから特別に1回だけ見逃してやるぜ!
いいか姉ちゃん! 俺らはなァ! それなりに結構なの売れたハンターなのよ!
だから俺らと一緒に遊ぼうぜって言ってやってんのよ!?
俺らの女になった暁にはいい思いをさせてやるってことだ!
よぅし! そいつがわかったら早速――」
と、レミシアの腕を――
「えっ……?」
なんと、彼女は――
「多分、この汚い手は下手すると折れるわね。」
悪漢に腕をつかまれる前に彼女は悪漢の腕をがしっとつかむと思いっきり捻り、背中にまでぐっと力を入れこんだ!
「いっ……! 痛てててて!」
「ったく……」
そして、その男を蹴って突き飛ばした。
「ぐはっ!」
「次やったら殺すからね、命が惜しければあっちに行きなさいな。」
レミシアは得意げな表情で腕を組み、堂々とした態度だった。
「なっ!? このアマ! 下手に出てりゃあいい気になりやがって!」
別の男がそれを見てそう言うが、レミシアは得意げに返した。
「ええ、よくわかんなかったわね。
でも、あんたらみたいな無名のチンピラハンター相手、
流石に大人げないから五体満足なうちにあっちいけって言ってやってんのよ?
あんたらみたいな魔物の排泄物のような野郎の女になってやってもいいなんて、
この世界が再び破壊されても絶対に言うことないから安心していいわね。」
すると、3人はとうとうブチ切れた――
「このアマ! ふざけやがって! やっちまえ!」
レミシアは呆れていた。
「やれやれ、ここはプリズム族らしく、誘惑魔法で男共を従えさせるしかないわね。」
そして、彼女の誘惑魔法は炸裂した、
それは彼女の場合は誘惑の甘い香りによるそれではなく――
「おら! さっさと謝れっつってんだよ! この死にぞこない共が!」
そう、彼女にボコボコにされ、まさに文字通り拳でものを言わせているのであった……。
そしてそのまま逃げることも許されず、とにかく地面に顔がめり込んでいる状態にさせられているのである――決して土下座であるとは言わない。
「大変申し訳ございませんでした!」
「もう二度と! 二度とあのようなことは致しません!」
「お願いです! もうあのようなことは致しませんのでどうぞ命だけはお助けください!」
すると、レミシアは――
「よしよーし、何ともいい光景ね!」
なんと、カメラを持ってその光景を激写!
「ほら! 3人とも、顔を上げて!」
そして、そろって顔を上げたところで再び激写。
「きっちり納めたからな。」
レミシアは映した写真を出して男3人に見せた。
「はい、それがわかったらさっさと失せろ!」
3人は一目散に逃げだした。
なお、その場にいた周囲の男共は冷や汗をかき、我関せずな顔をし彼女とは目を合わせないでいた。
「レ、レミシアお姉様ってすごい――」
流石のレイも彼女については絶句していた。
「相変わらず男相手だと容赦ねーな……」
ディアはそっと眺めたまま唖然としていた、怖いですね……。
「ねえラーシュリナ、男ってあんななんだよ?
いや――ウェイドさんみたいなまだマシなのもいるけどさ、
ほかにもクロノリアのナイザーとか……」
レイは彼女に諭すように言うと、ラーシュリナは悩んでいた。
「……。もう、私は女でいいです……」
ですよね。男にナンパされる男や美女の香を発する男とか流石におらんだろ。