「なっ!? なんだこいつは……!?」
ロイドはティンダロス邸のテラスにて、ネシェラから引き渡されたものを見て驚いていた、
それはテーブルの上に堂々と置いてある禍々しいデザインの大きな剣だった……。
「これぞ”破壊魔剣ティルフィング”、
聖獣や高位の精霊たちの話を聞いて私なりに作り上げた渾身の逸品よ。」
マジで作ったのか――ロイドは恐る恐るその破壊の剣を手に持つと――
「なっ!? なんだこれ!? 無茶苦茶手に馴染むぞ――
なるほど、精霊石に込めた力が俺の魔力だからか――」
ネシェラは頷いた。
「でもまだ完成じゃないのよ、これから仕上げるからしっかりと天に掲げて持っててよ。」
えっ……? どういうことだろうか、ロイドは言われた通り両手で持って天に掲げると――
「準備OKね。じゃあ――行くわよ! 破壊の化身ウロボロス!」
ネシェラはウロボロスの魔石を取り出すとそれを天高く放り投げた!
「大いなる竜よ――」
そして彼女は天に向かって右の手のひらをかざすと上空は荒々しく轟き――
何人かはとてつもない雷がティンダロス邸に落ちたので慌てて屋上へとやってきた。
「えっ、どうしたのロイド……!?」
ライアはそう訊いた、ロイドは腕を押さえていた。
その傍らには、もはやこの世の終焉を告げていそうなほどにまで禍々しくおどろおどろしい、
どす黒くすべての存在を許さんとばかりに破壊しつくしそうな邪悪な剣が転がっていた……。
「おい……ネシェラ……作り方これで合っているんか……?
できればもう少し加減してもらえると助かるんだが――」
ロイドは辛そうにそう訊くとネシェラは可愛げに「てへぺろ♪」と答えた――ムカツク……
「すげえ武器作るな……こいつがその”破壊魔剣ティルフィング”――」
リアントスはその剣を眺めながら言うが、ネシェラは剣を拾い上げて答えた。
「これは当時の製法を真似ただけでなく、私なりの独自のアレンジを施してさらに改良を重ねたものよ。
名付けて”真・破壊魔剣ティルフィング”! いい? これがこの剣の基本性能よ――」
するとネシェラはテーブルに向かい、その剣で軽くあおるかのように軽く振ると――テーブルは瞬時に砕け散った!
「なっ!?」
リアントスは驚いていた。
「そう……この剣の妖気を浴びただけでモノはたちまちに壊れてしまうのよ。
つまりそれだけの武器ってこと、扱いには十分な注意が必要ってわけ。」
そんなもの作るな! 何人かはそう思わずにはいられなかった。
てか、そもそも作り方……突っ込みどころは多い。
「ほら、お兄様! お兄様にならコントロールできるように仕上げてあるから躊躇わずに使ってみて!」
そう言われて恐る恐る手に取ったロイド――
「これ、本当に大丈夫なのか!?」
すると遠目に――
「あそこに魔物がいるな、小手試しにどうだ?」
ミストガル門方面にドズメーアだ!
シルルにそう言われるとロイドはその剣を手に取り、屋上からダイブ!
「いいだろう、だったらやってやろうじゃねえか! 行くぜ! うおおおおおお!」
そしてドズメーアめがけてロイドは勢い良く切り込んだ!
「ライトニング・ショット・ガン!」
その場から雷閃を無数に発射してドズメーアに多段ヒット!
「グギャア!」
ドズメーアに炸裂! するとそのままドズメーアはロイドに襲い掛かった! が――
「なんだこの剣は! これ、やべえな……」
ロイドは気にせずにそのままドズメーアに突っ込んだ!
「ロイド!」
ライアは心配していたが……
「ぬおおおおお!」
勢いよくドズメーアの身体を掻っ捌いた!
「マジか!? なんなんだあの剣は!?」
「あれが……破壊の剣ってやつか――」
ランバートとアレスは驚いていた。
「魔物が次々と現れたようだな、行くぞ――」
シルルはその様子を見ると剣を引き抜き、彼女もまたロイドの所へと向かっていった。
「出番ね! 私も新しい武器を試してみるわ!」
ライアたちも次々と立ち向かっていた。