アーカネリアス・ストーリー

第6章 伝説との邂逅

第191節 最強騎士VS最強騎士

 クレメンティル大聖堂まで魔物の群れを蹴散らし、なんとかたどり着いた一行だが――
「またドズメーアかよ……」
 リアントスは悩んでいた、魔物が行く手を阻んでいる――
「こうなることは大体目に見えてるだろ、行くぞ――」
 と、ロイドはミスリル・ブレイドを携えていくが――
「いや、ここは我々に任せるのだ!」
 ディアスが前に立ちふさがった!
「お前たちは早くクリストファーを!」
 ルイスとランバートも立ちはだかった!
「んな相手、俺らに任せておけよ。 ロイド、お前のほうが強えんだからこんなところで足止めを喰らっていたらダメだろ?」
 そう言われると――アレスが言った。
「わかった、みんな、ありがとう! よし、それなら俺たちは行くぞ!」
そして、その場に3人を残して他の団員は先を急いだ。
「よし、さーてと、今度は軽く倒してやるからな?」
「こういうのは年長者の務めってやつだからな」
「そうとも、未来を切り開く若者のために我々が迎え撃つ!」
 ランバート、ルイス、ディアスは気合を入れていた。

 そして、ミストガルド山道にて――
「ネシェラさんたちがクレメンティルについたようですね!」
 セレイナがそう言うとランブルが頷いた。
「予定通りですね。では、早速――」
 そして、彼は手を挙げて指示した。
「総員! 打ち方始め!」
 と、ランブルが合図をすると、その場にいたレオーナをはじめ、 アーカネルの兵士とクレアやスクライトなどのクロノリアの魔導士たちが一斉にクレメンティルへと弓矢や魔法による射撃を始めた!  だが、そこへ――
「現れたな! ここは通さん!」
 と、ゼクス、山道のほうにも大きな魔物が現れた!
「現れましたか――いいでしょう、お相手して差し上げましょう――」
 と、セディルとナナルが立ちはだかった!
「ふふっ、やったろうじゃないの!」

 そんなクレメンティルにたどり着いたネシェラたち――
「よし、合図を上げたから魔法バリアよ。」
 ネシェラは言うとライアとアルクレアは頷いた。
「いくわよ!」
「せーの!」
 するとそこへベヒーモスが……
「グギャアアアア!」
 ミストガルドからの射撃による集中砲火を受けていた!  この手の魔物はミサイル・ガードのはずだが、この量を受けては同じことだろう。
「よし! 今のうちに行くぞ!」
 アレスは指を差し、大聖堂の内部へと突撃した。

 そしてその内部――
「今度は聖堂騎士団のお出ましか――いいだろう、相手してやるぜ……」
 リアントスはミスリル・ソードを抜いた。
「スティア! お前もだ!」
 えっ、俺!? スティアは驚いていた。
「何言ってんだ、聖堂騎士団でこんな要衝を任されているんだから手練れに決まってんだろ、俺らがやらずして誰がやるんだ?」
 そしてディライドとシュシュラも――
「だな、聖堂騎士団と聖騎士団どっちが強いか白黒はっきりつけてやろうじゃねえか」
「同感ね。さあ、そうと決まったらネシェラ、リーダーさん、さっさと決着付けてきて!」

 そんな感じで次々と仲間たちがクレメンティル大聖堂を攻略していく。 そして、例の魔法バリアのある場所まで差し掛かった一行。
「問題はこの先ですね――」
 アムレイナが言うと、さらに続けた。
「私たちはこの先の以前の広い空間のところに行きます。 あなた方はこの先へ! シルル、お願いしてもいいですか!?」
 シルルは頷いた。
「分かった。よし、そうと決まったら――」
 そう言いつつ、ネシェラが一歩踏み出すと――
「なるほど、純粋な魔法幕ってわけね、私に作図されないように抵抗しているだけか。 そうと決まったら早速行きましょ。」
 と言いつつ、アレス、ロイド、シュタルとライア、それからサイスとアルクレアとネシェラにシルルの8人がその中へと突入した。 エンダリフとアムレイナ、シャオリンとレイランドの4人はその光景をほほ笑ましく眺めていた。
「若いとはいいもんですな」
「そうですわね――昔からの因縁、これで決着しますか――」
「長かったものね……」
「そう――非常に長い因縁の戦い――これで終われば……」

 そして、その先にあった扉を抜けた8人は、広い場所へとやってきた。
「ふん――やっと来たようだな、来ないのならこっちから出向いてやってもよかったのだぞ?」
 その場に聖堂騎士が一人立ちはだかった――シャービス=ディランゾ……カイルフレアザード3段である。
「そう――でも安心してよ、わざわざこっちから出向いてあげたんだからね。」
 ネシェラは得意げに言った。それに対してシャービスは「ふん」と、何とも得意げに答えていた。
「なるほどな、そっちにもカイルフレアザードがいるのか、しかもマスターの称号まで持っているらしいな」
 全然臆するような様子がない。
「カイルフレアザードの名を冠していれば段位は関係ないか? 確かに、その通りだな。 それに、私も別にハンターの称号には興味はない――ただ、やれるところまでやってみようと思っただけだ」
 シルルはそう話すとシャービスは言い返した。
「ああ、まったくもってその通りだ、この世は不条理に満ちている―― そんな名声を得られたところでなんの意味も持たない。 俺はハンターだ、敵を倒して報酬を得る……それだけの存在だ。 なのに……それ以外のことを押し付けられても困るからな、 だからカイルフレアザードとやらになってみたが、 結局はハンターとしてなんと言われようがやっていることは大して変わりはしない。 だから辞めた――その結果、クリストファーから戦うために雇われたのだ――」
 こいつは戦うことしか脳がないということか――
「重症だな。まあいい、どうやらこいつは俺が引導を渡してやらないといけないらしい。 どうだ? そう言うことだろ?」
 ロイドはそう訊くとシャービスはニヤっとしていた。
「ほう、なるほど――どうやら貴様、俺が何をしたのかよく理解しているようだな――」
 えっ、どういうこと!? ライアは訊いた。
「ああ、つまりはそう言うことだ。 親父はどうやら、クレメンティル聖堂騎士団の最強の男に殺られたらしい」
 まさか!
「そう、お父様はこいつに殺られたのよ、初めて会った時のリアクション―― ヴァーティクスと聞いて、自分が殺ったハズの男のガキ共が自分の目の前にいて動揺していたのよね。」
 ネシェラがそう言うとシャービスは話した。
「なるほどな、アーカネルの執行官ってのは手ごわい存在だな、すべてはお見通しということらしい。 だが――俺はお前たちの父親を倒した男だ、そんな俺に勝つつもりでいるのか?」
 ロイドは頷いた。
「当たり前だ、言っとくが俺は親父よりも強い―― 生きて帰れるとは思うなよな――」
 すると、2人はお互いに間合いを取った。
「お兄様、こいつの相手は任せてもいい?」
 ネシェラはそう訊くとロイドは得意げに答えた。
「もちろん、俺に任せておけ。 クレメンティル聖堂騎士団最強っていうだけだからな、 世界最強ってわけじゃねえから余裕だろ」
 そして、2人は激突した――。