ランバートはティンダロス邸へとやってきていた――。
「あれ? ランバートさん?」
そこにいたのはアルクレアだった。
「よっ、よう! アルクレアさん!
アーカネルに魔物が入ったって訊いたけど、大丈夫か?」
アルクレアはにっこりとした面持ちで答えた。
「ええ! 私は大丈夫! アルティ門が突破されたんですって!?」
ランバートは答えた。
「そうなんだ、だから気をつけろよって思ってな……。
ところで、セレイナさんは?」
「セレイナちゃん? 今はお城にいるんじゃない?」
そうか――それはちょっと心配だな……ランバートはそう言いつつ――
「なあ、アルクレアさん、ちょっと話があるんだけど――」
ランバートはそう言った、アルクレアはキョトンとしていると、
ランバートはおもむろに剣を引き抜き――
「そこまでよ!」
なんと、その背後からライアがランバートに奇襲をかけていた!
「うぐぁっ……」
ランバートはその場で倒れると、アルクレアも事の次第を瞬時に把握した――
「ランバートさん!? まさか――」
「ええ、お姉様、そのまさかよ! ヤバイ、ロイド1人にしたのが間違いだったわ! 急がないと!」
2人はそのまま慌ててお城のほうへと向かうことにした。
そんなロイドだが、城のほうへとやってくると、そこにはスティアが……
「ろっ、ロイドじゃねえか……どうしたんだよオイ……?」
ロイドはため息をついた。
「どうしたもこうしたも、お前の様子を見ればあからさまにヤバイ状態が起こっているのはわかってるけどなっ!」
ロイドは剣を思いっきり振り上げ、衝撃波を……
「させるかぁっ! このぉっ!」
その前にスティアはロイドを強襲! だが――
「相変わらず、バカ単純なやつだ――」
と、ロイドはすぐさま剣閃を放ってスティアを思いっきりぶっ飛ばした! スティアはそのまま気を失った――
「やれやれ、こいつは何かしらの手段で同士討ちを狙っているようだな――」
ロイドはそのまま城の上の方へと駆け上がっていた。
そして、空席のハズの玉座の間――1人の色気たっぷりの女が女王様気取りに足を組んで色っぽく鎮座しており、
その周囲にはアーカネルの臣下たちが鎮座していた。
「なるほど、誘惑魔法ってわけか、つまり、貴様は魔獣ラミアだな!」
するとその女はにっこりとして答えた。
「うふふっ、半分だけ正解……だけど私は魔獣なんかじゃあないわよぉん♥
私は魔族ラミア……その魔獣ラミアの力を持っている魔族なのよん♥」
すると、その女はロイドのもとにすぐさま迫ってきた――
「おっと……相手が男となれば早いな」
女は嬉しそうにロイドを眺めていた。
「うふふっ、あんたっていい男ねぇん♥
いいわ、だったらトクベツに……この私の身体を抱かせてア・ゲ・ル♥」
彼女の色香が当たり一面に充満する! その色香がロイドを包み込み、彼をたちまち虜に――
アルクレアは執行官の執務室へとやってくると、そこには――
「ネシェラちゃん!」
彼女が倒れていた、息もしていない……
「サイス!?」
なんと、傍らには彼までもが!?
「やっぱり、男でもプリズム族だから!?」
彼女は困惑していた、周りはやはり女性ばかりが倒れており、アルクレアは悩んで……
「おっと、飛んで火にいる夏の虫とはお前のことだな……」
と、その時――なんと、アルクレアは男に首元に刃をあてられ、捉えられてしまった!
「ったく、面倒かけさせやがって……もっとも、例の話は既にバラしちまった後だろうがな……」
暗殺者か……まだ自分を付け狙っているやつがいるのか――彼女は呆れていた。
「そう、どうしても私を殺したいようだけど……本当にやれるのかしら?」
アルクレアはにっこりとしていると、暗殺者は得意気になっていた。
「大丈夫だ、ただでは殺しはしねえ……
まずはこの場で謀反を起こしてその罪を悔いて自害したことにしてもらおうと思ってなぁ!」
するとアルクレアはにっこりとしながら言った。
「あら……そう。じゃ、さっさとやれば?」
それに対して、だったら言うとおりにしてやろうと暗殺者は彼女を突き刺そうとした……
「どうしたの? さっさとやったらどぉなの?」
そう言われ、暗殺者は彼女を……
「どうしたの? やらないのかしら?」
だが、何故かわからないが暗殺者は葛藤していた。
「俺は……俺はお前を……」
しかし、暗殺者はナイフを落としてしまった。
「俺は……殺せない……お前を殺せないっ!」
暗殺者は苦悩し、そのまま頭を抱えていた。するとアルクレアは立ち上がり……
「でしょうね、だって私……」
そして、その場でくるりと回り、可愛げなポーズを決め――
「私だって妖魔の女ですもの♪ うふっ♥」
アルクレアのいい香があたり一面に漂う!