アーカネリアス・ストーリー

第6章 伝説との邂逅

第183節 胸騒ぎ

 ある日のこと――アーカネル軍は戦いに備えて準備していると、再びクレメンティルの軍勢が――
「懲りねえなあ……いい加減にあきらめろよ?」
 ランバートをはじめ、何人かがアルティ門で構えていると、クレメンティル側は何やら秘策のようなものがあるようで――
「あん? なんだぁ?」
 ランバートは不思議そうにしていた。

 その一方で、ネシェラらは次の計画を練っていると――
「大変よ! クレメンティルにアルティ門を突破されたって!」
 ライアは慌ててその場へとやってくると、一同は驚いていた。
「えっ!? ランバートたちはどうしたの!」
 ネシェラは訊くとライアは悩んでいた。
「それが――どうしたのかわからないのよ――」
 なんてことだ、サイスすぐに対策するよう他のアーカネル騎士にも働きかけていた。
「ったく、クレメンティル側の動きが分かった途端にどんどんヤバイ状態になってくるわね――」
 それは――前日までにレイランドとシルルの話を聞いてある程度わかってきたことである。

 シュタルは慌ててアルティ門へとやってきた。
「ウソ!? どうなってるの!?」
 ほとんどの者がやられてしまっている中、そこにいた者は――
「レオーナ! クレア! 大丈夫!?」
 シュタルは彼女らの側へとやってきて――
「いくよー! バイタル・エナジー!」
 2人の傷を癒した!
「うっ……シュタル――」
「シュタルさん……」
 2人はどうやらバリアを張って何とか一命をとりとめているようだった。
「お母さん! こっち!」
 自分の母親を呼んで、とにかく2人であの2人をその場から安全な場所へと移していた。

 その場に重戦車ウサギが全力で飛んできた、背中にはライアが乗っており、先にロイドがその場所で様子を見ていた。
「敵がどこに行ったのかわかる?」
 ライアは訊いたがロイドは首を振った、そう、クレメンティルが突破したはいいが、どこに侵入したのか敵の存在が把握できていないのである。 だが、カギはきっとここにあると考えたロイドとライアはそこに来ていた。
「うーん、なんだろうな、やられているやつといなくなっているやつのどっちかしかいないってのも妙だな。 辛うじて一命をとりとめたやつもいるってのも……」
 逆を言えば、いないのがどうなったのかわからないということである。 するとそこへ――
「ライアさん! ロイドさん!」
 そこを守っていたハズの兵士と騎士たちが城下のほうから戻ってきた。 だが、ランバートやほかの者の姿はなかった。
「おっ、おい! 何があった!」
 ロイドは訊くと、いつかのアラドス将軍が答えた。
「それが敵が現れて、町のほうへ行ったはいいのですが、どこに行ったのかわからなくなりましてな。 とにかく、町のほうはランバート将軍たちに任せて我々はこの場所に戻ってきたのですよ」
 そういうことか――ロイドは悩んでいた。
「まあいい、無事で何よりだ。 それより――ここで倒れている連中も何とか助けてほしいんだが――」
 アラドスは頷いた。
「それはお任せあれ! あなた方は町の中のほうをお願いします!」
 こう、普通にしているといいやつなんだが――例のセレイナの件は何だったんだと言いたいところである。 言われた通り、3人はそのまま町の中へと入って行くと、ディアは違和感を感じていた。
「どうした? さっきから何を黙っているんだ?」
 ロイドは訊いた。
「……ん? いや、なんか妙だなーと思ってね。 ちょっといいかな?」
 すると、ディアは見張り台の上に上って門を見下ろして様子を見ていた。 2人もそれに続いて行くと――
「なんだ? 何が妙なんだ?」
 ロイドは訊くとディアは頷いた。
「やっぱりそうだ――被害に遭っているのは全員女の子だよ。 逆を言えば、あそこでピンピンしているのは全員男だってこと、偶然かな――」
 ほんとだ――ロイドとライアは悩んでいた。
「どういうことだろうか――」
 ロイドは悩んでいるが、ライアは何やら考えているようだった。

 疑問を胸に、ランバートの行方を追って3人は町のほうへと繰り出していた。
「この前みたいに魔物と戦っているような様子もなさそうだな、なんか妙な感じだ――」
 すると、ライアは――
「ロイド! 私はお姉様を見に行くから、あなたはお城に行って!  なんか、妙な胸騒ぎがするの、だから――」
 そう言われ、ロイドは頷いた。
「そうだな、とにかく、何が目的かはわからないが、向こうの出方を待ってなんとかするしかねえか……」
 さらに――
「ディア!」
 ライアが言うと、彼もまた頷いた。
「オッケー♪ よっし、いっちょやってくるか!」
 ディアはそのまま爆走してストリートのほうへと消えていった。