目的のブツと鍛冶……そう、とある鉱物資源ということである。
それを用いてイセリアは武具を作成していた。
「これを――テュラス、あんたが使いなさいな。」
そう言われてテュラスはその剣――大剣を持ちあげた。
「ぬぉっ!? なんだ、見た目に反してずいぶんと軽いな――」
「鉄じゃあないからね、比重で言えば圧倒的よ。
特に軽いのはアトランドで探してきたやつとは違うやつね、精霊たちが別に保管してたやつ。
けど、真の力を発揮するにはそれだけじゃあ足りないわ、
まさに破壊の力を受けることで、そいつは恐るべき真の破壊の剣へと変貌することになるのよ、
破壊の化身そのものを破壊することが可能になるぐらいにね。」
そんな恐ろしい剣を作るイセリアも恐ろしい気がする。さらに――
「プリズム族からもらった剣だけど、これも大層な代物だったわ。
ただ、あんな錆び方しているのに折れないところからすると、中身はしっかりしているみたい。」
テュラスは訊いた。
「ん? そいつも鉄じゃねえのか?」
イセリアは頷きつつ、それの完成形を出して見せた。
「とりあえず、思うがままにカスタムしてみたんだけど、こんな感じかしらね。」
いや、原形がない! あの剣はせいぜい1メートル程度だったような気がするのだが、
そいつはどう見ても2メートル以上はありそうなドデカイ得物だった……。
そのフォルムも大剣というか大槍というか……2つの要素を兼ね備えているように見える、まさに重機であるが――
「大丈夫よ、重さは480gジャストで設計してみたからね♪」
もはやそれ自身が異常である、どう見ても5Kgはあってもくだらないような造形である。
ということで、彼らはその武器を携えて再度ウロボロスに挑戦することになった――。
「こんなに強かったかこいつ……!」
テュラスは既にボロボロだった。そこへイセリアは果敢に攻撃を繰り出していた!
「えいやぁ! このっ! 滅びなさい!」
だが、
「2人とも! 退け!」
エルフェリアがそう言って警告! 2人とも慌てて逃げた! すると、その場には破壊の雷が降り注ぐ――
「ちっ、以前これにやられたんだっけな――」
テュラスは身構えていた。
「くっ、こんなものが、これほどの力を用いる者が人間界にいるとはな――」
エルフェリアも悩んでいるようだった。だが――
「あれはまさか!」
イセリアは驚いていた、強烈な赤い光がすべてを覆いつくす――
「逃げるんだ!」
3人はさらに距離を離そうとそたが間に合わなかった、絶大なる破壊の力でその場はすべて吹き飛んだ……
テュラスは気が付いた……
「くそっ、どうなってるんだあの野郎……」
隣にはイセリアが倒れていた。
「おい! 大丈夫か、イセリア!」
彼女は気が付いた。
「うぅん……ったく! なんなのよあのクソナマズ!」
やっぱりどこかで聞いたことがあるフレーズ。
「大丈夫か、2人とも――」
エルフェリアはそう言って2人のもとに駆け寄った、エルフェリアもボロボロの状態だった。
「このままではマズイ、お前たち2人はここから去れ! あいつは私が何とかする!」
エルフェリアはそう言うが、イセリアは剣を取って再び立ち向かった!
「いえ、何故か、何故かわからないけど行ける気がするの! だから――」
エルフェリアはとどめた。
「ダメだ! 力量差が圧倒的過ぎる!
だから私が食い止めているうちにお前たちは逃げるんだ!」
しかし、テュラスも立ち上がった。
「自分の女が行くっつっているのに俺が行かねえって選択肢はねえよな。
イセリア! 行くぜ!」
なっ……エルフェリアは戸惑っていた。
「2人とも……まさに英雄というわけか――」
そして――
「このクソナマズ! 滅ぶのはあんたよ! さあ、いい加減に滅びなさいな!」
イセリアは景気よく乱舞攻撃を繰り出し、
さらには回転した反動で竜巻を巻き起こしてウロボロスをさらにいなしつつどんどん攻め立てていった!
さらにそれに続き――
「うおおおおおお! このクソナマズがあ! くたばりやがれええええええ!」
似た者夫婦、2人はそのまま全力でウロボロスに立ち向かった!
「2人が行ったのに、私が行かぬわけにはいかぬな――」
エルフェリアも大剣を片手にウロボロスに立ち向かった! すると――
「あれは! また破壊の力が――」
ウロボロスは絶大な力をその3人に向けて!
「もはやこれまでか――」
エルフェリアはそう言うが、イセリアは諦めなかった。
「私は諦めない! こいつを倒すまで!」
「そうだ! 俺たちはこのために生きてきたんだ! こいつを倒すために!」
そして次の瞬間――3人はその破壊の光に……
「させません! マジック・バリア!」
と、まさか、こんなタイミングで救いの手が!