リアントスとセレイナの2人はそのまま地下へと潜って行った。すると――
「なっ!? こんなところにまで魔物がいるのか!?」
リアントスは驚いた。そしてボウガンを取り出して魔物を次々と蹴散らしていた。
「はっ! やぁっ! たぁっ!」
そしてセレイナも剣を取り出すと、魔法を使いながら魔物に接近し、
最後に魔物にトドメを指していた。
「なんか、妙に強い魔物がいるようだな、2人で来るのは失敗だったか――まあいい。
大丈夫かセレイナ?」
リアントスはそう訊くとセレイナはにっこりとして返した。
「はい! 私は大丈夫です! リアントスさんは?」
「ああ、平気だ。さあ、行くぞ――」
しかしその時――
「きゃあ!」
今度はトカゲのような魔物が――
「おっ? どうした!?」
セレイナはいきなり出てきたそいつに驚き、リアントスの後ろに隠れてしまった。
「えっ、こういうのはダメなのか――」
リアントスは何食わぬ顔でトカゲを打ち抜いていた。
「おい、斃したぞ――」
だが、セレイナは両手でリアントスの手をしっかりと強く握っていた。
「マジかよ、参ったな――」
リアントスは悩んでいた。
リアントスはなんとかセレイナをなだめ、そしてセレイナはなんとか耐性を付けていた。
「あっちに行ってください!」
セレイナはトカゲ相手に冷気魔法を振るって遠ざけていた。
「虫は苦手じゃないんだよなぁ……ライアやレオーナはギャアギャア言ってたのに――」
リアントスは悩んでいた。それもそのはず、彼女は――
そして、そのうち遺跡の最深部へとやってきた2人。
「広い部屋だな、行き止まりか?」
すると、セレイナが気が付いた。
「リアントスさん! あそこにあるのがその”黄金の鍵”ではないですか!?」
部屋の真ん中には祭壇のようなものがあり、まさに鍵のようなものがおいてあった。
「マジで”鍵”なのかよ。まあいい、さっさと持ち帰るだけだな――」
そういいつつ、リアントスは鍵に触れようとしていたが――
「ん? なんだこれ、取れないぞ?」
セレイナは気が付いた。
「魔法で封印されているようです! ちょっと待ってください――」
セレイナは鍵の上に手をかざすと――
「大丈夫です、そんなに難しい封印ではないみたいです。これなら解けそうです!」
すると――
「よし、サンキュー、セレイナ!」
封印が解けた後、リアントスは鍵を取り出してそう言うと、セレイナは嬉しそうだった。
「よし、さっさと帰ろうぜ――」
だが、その時――
「えっ!?」
背後から不穏な空気が!
「リアントスさん! 危ない!」
セレイナはリアントスを突き飛ばした!
「うおっ!? なっ!?」
その時、彼女の背後に強烈な魔法が浴びせられた!
「いやあああああ!」
セレイナはその場で崩れてしまった――。
リアントスはすぐさま構えた。
「セレイナ! くそっ、なんなんだこいつは!」
そこには、人間のような姿をした魔物が――
「なるほど――こいつが意識まで魔法に汚染されてしまっているってやつか――」
さらにそいつは魔法を次々と打ってくるが――
「ちっ、マジかよ、すげー魔力だな……」
リアントスは一応魔法バリアを張りながらもなんとか避けていた。
「もらったぜ! こいつならどうだっ!」
リアントスは僅かなスキをついてボウガンを放った! すると魔物に命中!
「ったく、手間を取らせやがって――」
リアントスはセレイナの剣を取り出して魔物に接近していた。
リアントスは魔物相手に完全に丸腰で佇んでいたが――
「どうした? 魔法を打ってこないのか?」
魔物は魔法を打とうとしているが放つことができない!
するとリアントスはそいつに向かって振りかぶり――
「だろうな、魔封じの矢が食い込んでいるからな。そしたら次は俺の番だ!」
リアントスは魔物を力の限り両断した。
リアントスは慌ててセレイナの元へと駆け寄った。
「おい! 大丈夫か!?」
するとセレイナはか細い声で答えた。
「リアントスさん……ご無事……ですか……?」
「俺は大丈夫だ! そんなことよりセレイナ! 今助けてやるからな! えっと――」
リアントスは必至になって回復魔法を使おうとしていた。すると――
「リアントスさん……わた……し……嬉しい……リアン……トス……さん……一緒……とっても……」
明らかに弱っている。
それに、背中の傷は……酷いやけどだ、だが、医者に見せれば何とか助かりそうか……?
ところが――
「ん? なんだ? どうした!?」
なんと、彼女の身体は徐々に徐々に小さくなっていった――
「えっ!?」
彼女の魔法の力が弱まっていく――光の魔法が……
「ちょっ! ちょっと待ってろ! ええっと……こうか!」
リアントスは雷の魔法で光を展開した! だが、その場にセレイナの姿は何処にもなかった。
代わりに、彼女がいた場所にいたのは何処からどう見ても――
「なっ!? まっ、まさかセレイナって――」
そう、彼は彼女の正体をこの時初めて知ったのだった。