そして、ようやく――
「ちっ! 届かねえってのか!」
ランバートは大きな蛇……これまでのキラー・スネークよりも一回りも二回りも大きいそいつに対して果敢に攻めて行ったが――
「やべっ!」
キラー・スネークはランバートにかみつこうとした!
「甘いわ!」
だが、彼の前にディアスが立ちはだかると、そのまま盾で攻撃をはじき返した!
「この野郎!」
と、ここでディライドの闘気剣術! 天から剣閃を発揮し、その技で相手の動きを拘束!
「今だ! 誰か殺れ!」
ディライドはそう言うと、セディルが即座に接近し、キラー・スネークに立ち向かって小剣による激しいコンビネーションアタックを仕掛けた!
「ふう、流石に骨が折れますね――」
セディルは息を切らしていた、魔物が崩れ行くさまを見ながら安心していた。
「ひゅう、流石だなぁ……」
ランバートも息を切らし、その場で膝をついていた。
「あなたも見事な攻めでしたよ」
セディルはそう言い返すと、ディアスは感心していた。
「いつも棒切れなのに剣を抜くとは久しぶりではないのか?」
「棒切れは蛇相手では効果が薄いですからね、確実に胴体を斬る得物でなければ――」
その後ろでディライドは反省していた。
「ふう……聖騎士が殺れっつうのはよくないのはわかってるんだが――」
そこへディアスがやってきて言った。
「流石は闘気剣術の使い手! 見事な技でしたな!」
そう言われてディライドは少々照れ臭かった。
「おっ、おう――」
そんな調子でどんどんと前線を広げていく騎士団、だが、いよいよその大ボスとも言えるような魔物と対峙することとなった。
「でっ、でけぇグリフォンだぜ……」
スティアはビビっていた、これまでみたそれと比べて明らかに3倍ほどデカイサイズのそいつが佇んでいた。
「ここまでデカイと空飛ばすのも大変だな――」
ロイドも悩んでいた。
「やれやれ、真打登場ってわけね、素直におとなしくしててくんないかしら?」
ネシェラは呆れていた。
「なんだ? ここまで来たのは3人か?」
ロイドはそう言うとスティアは言った。
「リアントスは後ろで大量の魔物を相手にしてるぜ――」
ネシェラは頷いた。
「見たわ、私がここにこれたのも彼とライアたちのおかげよ、
私には大ボスを倒してきてってさ。」
むしろネシェラだからそれを頼んでる気がするが――2人はそう思った。
するとそこへ――
「いよしっと!」
なんと、ウサギがいくつかの魔物をひき殺しながらその場に現れた。
「あら、重戦車とそれにまたがる美人の操縦士様じゃないの。」
ウサギとレオーナが一緒だった。
「ふふっ、ネシェラには負けるわよ。
それより、またデカイのが現れたわね――」
5人の前にランド・グリフォンが襲い掛かってきた!
「来るぞ! 気をつけろ!」
ロイドは例によって空を飛ばそうとするがなかなか決まらない。
「手ごたえはあるが、こいつ――相当の化け物だな……」
決まらないどころか思いっきり弾き飛ばされてしまっていた。
「飛び道具もダメね……小さいやつにも大して効果がないのに――」
レオーナは悩んでいた。
「接近戦しかないのかしら?」
ロイドは起き上がって答えた。
「弱点は小さいのと同じ、燃えやすいハズだ。
それが糸口になるかもしんねぇぞ」
それに対してレオーナはニヤッとしながら答えた。
「そう――あなたの彼女ほどうまくはやれないかもしれないけど、やってみるわね!」
そう言われてロイドは戸惑っていた。
「かっ、彼女って……誰だ――」
するとレオーナは天に手をかざすと――
「なっ!? 何っ!?」
ロイドは驚いていた、彼女の手からは燃え盛る炎の球が生成されると、彼女はそれを投げ飛ばした!
「フレア・ブラスト!」
すると、なんと、ランド・グリフォンに正面から直撃!
「うまくやれる方法をランブルさんに教わったのよ、どうかしら?」
と、得意げに話す彼女だが――
「ちっ、マジかよ……この程度じゃあ足りないみたいだ、持久戦になりそうだな――」
ロイドはその効果のほどを見ながら唖然としていた。
「なるほど、伝説のモンスターの名は伊達ではないってことね、どうしたらいいのかしら?」
レオーナも悩んでいた。
今度はネシェラが果敢に攻めていたが――
「本当に体力お化けね、衰えるってことを知らないのかしら?」
いずれも決定打には至らず、それどころか手痛い反撃が――
「まずっ――」
ランド・グリフォンは右前足に力をためると、その足を地面にたたきつけ、周囲ごと飛ばす衝撃波を発した!
「ぐはぁっ!」
スティアは空高くぶっ飛ばされた!
「うわぁ!」
ディアも飛ばされ、その場で転んだ!
「いい加減にしなさいよ!」
ネシェラは受ける前に自ら空高く飛び上がった!
「ったく! 付け入るスキが見当たらないってこのことね、かくなる上は――」
するとネシェラはいつの間にかランド・グリフォンの懐へ!
「ほんと彼女、どうなってんのかしら? あんなに早く敵の懐に――」
レオーナは唖然としていた。
「ネシェラの間合いの取り方か、俺もあいつを超える使い手はまだ見たことがないな。
あの系統のアーツを使われたら大体避けられないんじゃないか?」
ロイドは考察していた。そして、それを回収するかの如く、ネシェラは――
「こんの焼き鳥野郎っ! さっさとくたばんなさいな!」
ネシェラのフルボッココンボ! その名も――
「エアリアル・ダンシング・クルセイド!」
まさに荒々しい風の精霊が舞うかの如く、激しくも流れるような動作で連続攻撃を叩きこむとランド・グリフォンは怯んでいた!
そして――
「ラストォ!」
最後に見事なアッパーを決め、ランド・グリフォンの頭を上空に打ち飛ばした! だが――
「ちぇっ、体力お化けっていうのは伊達ではないってわけね――」
大きなガタイをしているだけあって踏ん張ったランド・グリフォン、そのまま再び前足による衝撃波による反撃が――
「うおっと! なんか、久しぶりに攻撃が被弾したの見たな――」
「私は初めて見たかも――」
ロイドとレオーナはすぐさまネシェラのもとへと駆け寄っていた。
「痛いわね――やってくれるじゃないのよ……」
ネシェラは口から出た血をぬぐっていた。しかしそこへランド・グリフォンが大接近――
「くそっ、マズイな……」
ロイドが心配していると、そこへ――
「よくもやりやがったなこいつ!」
「お前なんかいい加減に今日の夕飯にしてやる!」
スティアとウサギがブチギレた様子でランド・グリフォンに襲い掛かっていた。
「このままやり続けるしかないのかしら?」
レオーナは悩んでいると、ネシェラは何か考えていた。
「今のでちょっといいことを思いついたんだけど――」
えっ、何!?