そして、いよいよ戦いの火ぶたが切って落とされることとなった――。
「くそっ! 大型どころか小型の魔物に苦戦するなんて!」
アレスは嘆いていた。するとそこへロイドが現れた。
「無理すんなよ、お前はいつも通り囮になることを優先的にこなしていけばいいんだ、トドメは誰かがやってくれるだろうさ」
アレスは頷いた。
「適材適所か……行けるかロイド!」
「言われるまでもない。行くぞ――」
ロイドは目の前の魔物を一度に一刀両断!
「空を飛んで見せろ!」
その様子を眺めながらライアとシュタルは話をしつつ進軍していた。
「やっぱりアレスの守りとロイドの攻めは鉄板ね」
「だね! あの勢いであいつを斃してもらおうよ!」
シュタルは大型の魔物を指さして言うとライアは頷いた。
「そのほうが手っ取り早そうね。なら、私たちは援護に回りましょ」
ランブルは空を指さしながら言った。
「敵襲! 空飛ぶ魔物だ! 放て!」
彼の率いる弓矢部隊が一斉に弓矢を放つ! だが――
「なんですかあの魔物は! まるで弓矢が効いていない!」
騎士の一人が唖然としていた。
「怯むな! 打て! 私も魔法で援護する!」
ランブルは続けざまに言うが、そこにネシェラが現れた。
「あいつはコアトル系の魔物よ。」
そう言われてランブルは気が付いた、グリフォンほどではないが中型程度の大きさの空飛ぶ魔鳥系の魔物だった。
「まさか、そんな魔物まで!?
コアトルはミサイル・ガード、それに魔法耐性もある程度――いや! こうなったら!」
ランブルは魔法を放とうと構えていたが、ネシェラが前に出た。
「飛び道具もイマイチで魔法も劇的な効果が見込めないんじゃあ直接殴るのが一番効率的でしょ。
それならああいうのは私がやるからあんたたちは他のを狙って頂戴。」
そう言われてランブルは素直に頷いた。
「わかりました、お任せいたします。
総員! 小型の魔物を狙って撃ち落とせ!」
そしてネシェラはそのままコアトルめがけて大ジャンプし、そのまま撃墜させていった。
「大人しくねんねしてなさいな。」
そしてレオーナはシュシュラと共にいた。
「あっ! ネシェラ! すごい!」
レオーナは上空でコアトルを撃墜しているネシェラを指さしてそう言った。
「相変わらずの”ヴァルキリー”様ね、一体何者なのかしらあの子。
私も負けてらんないわね――」
シュシュラも空を飛ぶ気満々だった。
「シュシュラさんもあんなことできるんですか?」
「ネシェラと特訓した仲だからね。
言っても彼女には流石に負けるけど――」
するとそこへあの調子の良さそうなウサギが通りかかった。
「やあお嬢さんたち、大丈夫かなあ?」
そして、シュシュラは2人に合図を送り、そのまま飛び立った。
レオーナはウサギの背中に乗ると、
「そんなことより、そのまま敵を蹴散らしなさい!」
ウサギに指図した。そしたら当然――
「はいっ! お嬢様! 仰せのままに!」
女の子に乗ってもらえてなおも調子をよくしたウサギは彼女の言う通りに事を運んでいた。
「ほらよっと、それっ――」
リアントスは向かってくる敵をボウガンで次々と蹴散らしていた。
「あいつはミサイル・ガードだぜ!」
スティアはそう忠告すると、リアントスは得意げに言った。
「だったらこうするまでだ――」
リアントスのボウガンから魔法が放たれる!
「すっ……すげぇ!」
一緒にいたクレアが驚いていた。
「すごいです! 本当に魔法の才能があるんじゃあないでしょうか?」
リアントスは打ちながら答えた。
「どうだろうな、俺はただこういう攻撃技が得意なだけだからな。
弓矢だろうが魔法だろうが狙って打つだけ――あとは打ち方を変えてみるとかそれぐらいだな」
スティアは震えていた。
「まっ、負けてらんねえ……」
そしてそのまま魔物に向かって突進!
「うおおおおお! いくぜぇ!」
すると、リアントスは剣を取り出して目の前の敵を切り刻んだ!
「悪いな、飛び道具だけだと思ったら大間違いだ」
クレアは感動していた。
「リアントスさんすごいです! なんでもできるんですね!」
スティアは悔しそうにしていた。
「なっ、なんでも……俺も弓矢うまくなりてぇ――」