女性陣は話が弾んでいた。
「シュシュラ=ウェラシェンド、アナスタシア聖騎士隊のリーダーよ。よろしくね!」
シュシュラはそう言うとライアが訊いた。
「シュシュラさんってプリズム族?」
シュシュラは答えた。
「まあそんなところね。
それからシュシュラでいいわよ……ってみんな年下なのね――」
シュシュラはメンツの顔ぶれを眺めて言った。さらにネシェラが続けた。
「でも、そこは流石のプリズム補正よね、どう見ても30には見えないからね!」
えっ、そうなの!?
「こら! ネシェラ! 人の年齢勝手に言わないでよ!」
と、シュシュラは言うが、その表情はなんだか得意げだった。
「そうなの!? てっきり、まだ20ぐらいかと思ったわね――」
ライアはそう言うとシュシュラも言った。
「それを言ったらあなたのほうこそ、それよりも一回り若いぐらいかと思ったんだけどね――」
そこへネシェラは話をした。
「プリズム族の女は20代前半の姿を長らく保つ魔女ってことよ。
だけどそれは生涯のパートナーを得ることよりも、元は戦闘民族ゆえの事なんですって。
詳しいところはともかく、そう言うことみたいね。」
そうなのか――全員は納得していた。
「60を超えてるハズのお母様がどうしてあの姿を長らく維持していられるのかよくわかったわ――」
ライアも納得していた。
「えっ!? そうなの!? あれで60歳超え!?」
シュタルは半ばパニックになっていた。
年齢の話はとにかく、次はシュシュラとネシェラの馴れ初めである。
「つまり、ネシェラが留学した際にホームステイ先で彼女と知り合ったってわけね」
ライアは何を言う前にそう言うとネシェラは頷いた。
「ええそう。お兄様たちがディライドとルームシェアしていたから私もそんな感じ――大体想像がつくわよね。」
すると、先ほど案内してもらった女騎士こと、エスティアが訊いた。
「ネシェラさんってすごいんですよね!
私はシュシュラさんの話でしか聞いたことがないんですけど、
天才的で、とにかくすごい子なんだって!」
ここにもネシェラの悪評……いや、武勇伝が届いているのか、何人かはあっけにとられていた。
「さっきは悪かったわね……」
さっき怒っていた女騎士こと、フューナが悪びれた様子で答えた。
「いいのよ、過ぎたこと。
それに、別に天才って呼ばれる程じゃあないしさ。」
ネシェラは得意げに言うとシュシュラも得意げに言った。
「ええそう、この子が噂のネシェラよ。
天才だからこそ時折可愛げのない発言が飛び出してくるけど、本人は何の気なしに言っているだけだから気にしないであげてね。
昔から言うでしょ、天才と変人は紙一重ってね。目の前に出されるとああなるほど……って感じよね!」
流石に理解してらっしゃる――昔一緒に住んでいただけのことはあるな。
それに対してネシェラは得意げに答えた。
「あらあら、言ってくれるじゃないのよ。ま、誉め言葉として受け取ってあげるわね♪」
シュシュラも得意げに答えた。
「ええ、誉めてるんだから素直に受け取ってくれて何よりよ♪」
そしてアナスタシア聖騎士隊についての話。主要メンバーとしてこの3人で構成されているようだ。
「アナスタシア聖騎士隊はまさにアイドルってわけね、隠密行動が基本なのね」
ライアがそう言うとネシェラは答えた。
「そう。まさに美女の集まりなんだから、表向きは広報担当って面構えをしているけど、
その裏ではまさに裏の仕事をするのが彼女らの役割ってわけよ。」
それに対して当事者3人は謙遜していた。
「そっ、そんな――美女って言われるほどではないですから……」
エスティアは恥ずかしそうだった。
「美女ねぇ……私は別にそんなつもりじゃなかったんだけどね」
フューナは悩んでいた。
「ま、たまたま私に出番が回ってきたことにしておきましょ」
シュシュラは呆れていた。
「この人たち……自覚していないのね――」
ライアはそう言うとネシェラが再び答えた。
「みんなそもそも一般の聖騎士を志していただけの子たちだからね。
白羽の矢が当たった結果”アナスタシア”の名に憧れて引き受けることにしたはいいけどフタを開けたらこんな仕事でした……っていうのが彼女らの実情ってワケ。」
それについてフューナはさらに言及した。
「それゆえに実戦は極力しないようにって――これでは何のために騎士団に入団したのか……」
なるほど、わかる気がする、お察しします。
「でも、他の人たちとは違う仕事ができるのってなんだか面白いですよね!
多分、他の人と同じだとしたらこんな経験できないと思いますし!」
エスティアは前向きだった。
「そうね――だからエスティアが一番向いているんじゃないかしら?」
シュシュラは言うとエスティアは焦っていた。