エンドレス・ロード ~セラフ・リスタート~

エンドレス・ロード 第3部 果てしなき旅の節目にて 第8章 幻想を抱いたまま死ね

第162節 アトリエ始動、王国よ永遠なれ

 リリアリスの講義もとい、軽快なトークショーは続いた。
「ふふっ、ありがとうね、フローラ。 我らがクラウディアス特別執行官ではセクシー担当の彼女が私に任せてっていうもんだから代わりにやってもらったわ。 流石はできる女ね、特別執行官なんて役職が務まるだけのことはあるわ。」
 会場は笑いに包まれた、いやいや、そういうことじゃないだろ、と。
「さてと、プライベートな質問でもとうとう出てきたって感じの質問がきたわね。 もちろんこれについては前々からルーティスの講義でも少なからずあった質問で、 今までは講義時間外にまとめて回答していたにとどまっていた内容だけど、 今回は大多数の人が訊いてくれているから流石に講義で話をしないとね。」
 そして、リリアリスはその質問をモニタに表示させた。
「私らの武器はどこで買ったものなのかという質問もあったけれども、 すべてはこの質問の内容に踏襲されるからいいわよね。」
 その質問の内容は、リリアさんはどうやって武器が作れるようになったのか、である。
「どこで買った武器かは見ての通り、 私の武器はもちろん、アリの武器もフローラの武器もみんな私が作ったものだし販売もしていない逸品物よ。 ちなみに賢者ディア様の武器も私が作って差し上げたのよ♪」
 それに対してフロレンティーナが言った。
「ちょっと! 何よそれ! リリアったらまた随分と羨ましいことしているじゃない!  私にも作り方教えなさいよ!」
 だが、これはただの講義を円滑に進めるための合いの手である。以下もほぼ同様に見てもらえればいい。
「まあ、そうね――残念だけど、教えてあげられるほど簡単なものというわけではないわね。 何故かというと、やっぱりモノ作りっていうのは結局は自分の”センス”というのがモノを言うじゃない?  だから、教えたとしても同じようにできるかどうかは別だし、 さらに言えばモノになるまでに時間のかけ方も違ってくるだろうし、 もしかしたら私なんかよりもより効率的で、しかも完成系が私よりもいいものだっていうケースもありうるわけよ。 つまりは人によるところが大きいから、職人の腕を目で盗んでやってみて自分に合うかどうかを確認し、 そのうえで自分なりの正解を見つけていくという方法もありかもしれないわね――」
 それに対してフロレンティーナが言った。
「わかったわ、そうしてみるわね。 そう言えばクラウディアスの町の各地に新しくオープンしたっていう”アトリエ”で、 今度それをやるって言ってなかったかしら?」
「ええ、鍛冶デモンストレーションをやるのは今からちょうど5日後ね、もしだったら来てみてよ。 なお、”アトリエ”初公開の2日後には料理を予定しているからね。」
「ええ! 絶対に行く!」
 と、合いの手というよりは何気に宣伝をぶち込んでくるという茶番である。 それが指し示すかのように、その”アトリエ”の場所をモニタで示していたのである。 フェラント、アクアレア、グラエスタにウィンゲル、そしてクラウディアス中心地とクラウディアス城、 各拠点のそれぞれに所在地を示していた。
「茶番は茶番だが、こうもスムーズに都合のいい質問来るか普通……」
 ヒュウガは呆れ気味にそうつぶやいていた。

 エンブリアにはかつてエミーリアとレミーネアという姉妹がいたそうだ。 その2人はクラウディアスという王国を建て、英華を極めていった。
 時に衰退し、さらには戦争などという激動の時代を乗り越えることもあったが、 この王国には再びエミーリアとレミーネアという姉妹が現れると、 今度はかつてのエミーリアとレミーネアの再来と思しき2人の女性、 リリアリスとアリエーラが現れ、王国は再び安寧を取り戻したのである。