エンドレス・ロード ~セラフ・リスタート~

エンドレス・ロード 第3部 果てしなき旅の節目にて 第8章 幻想を抱いたまま死ね

第161節 平穏の日々、いつものいつもの

 開始8分程度、特別な話をすることなく毎回恒例でもある簡単な話から導入した後、 フロレンティーナとディスティアが手合いをしていた、デモンストレーションである。 そしてリリアリスが合図をすると、2人は手を止めた。
「美男美女が織りなす妙技の時間は一旦このぐらいにしといて。 多分共通の認識が合っていない部分もあると思うから今のデモンストレーションに関して、 とりあえず聞きたいことがあったらドーゾ♪ まずは質問ターイム♪」
 すると――
「あっそうそう、毎度のことだけど、 例によってこれまでデモンストレーションをしてくれた人からのクレームだけは一切受け付けないので、 そのつもりでお願いしますね♪」
 と言われ、ティレックスとスレアが真っ先に突き返されていた。会場は笑い声に包まれた。
「なんで俺らの時と違ってこんなに穏やかなんだ?」
「まったくだ、差別だよな差別――」
 どうやら積もりに積もったその2人の言いたかったことは儚くも棄却されたようだ。
 質問は流石に人数が多いことから各々の端末からの入力で、リリアリスはモニタ越しに確認しているようだった。 実は授業をしている会場こそクラウディアスだが、今回はルーティスの大講堂でもリモートでつながっており、 そちらにも5,000人ほどいる、合わせて1万人以上がこの講義に臨んでいるのである。
 さらにルーティスもリモートと言ってもただのモニタ越しによるそれではなく、 ヒュウガとリファリウスが共同で開発した”空間グリッド・フレーム・ワーク”というシステムを用いて、 いわゆるホログラムを投影しているのである、なんともハイテクな講義である。
 すると、
「おいおいおい、だから講義に関係する質問しろって言ってるでしょ。 クラウディアスでもハレンチな質問ばっかりか?」
 その質問内容一覧が、教壇上にあるスクリーンに映し出されると、笑いがどっと押し寄せてきた。
「ちょっと! 魔法剣に関する質問が3%って何よ! 分母増えているハズなのにどうなっているのよ!」
 会場の笑いは止まなかった。
「残り97%全部がプライベートに関する質問ってどんな学園なんだここは!  やってくれたなお前ら! クラウディアスの責任者の一員として恥ずかしすぎるわ!  こうなったら徹底的にクラウディアスの教育改革をしてやるから覚悟しとけ!」
 会場の笑いはさらにこみ上げてきた、もちろん本気ではなくネタで言っているだけである。 本来なら問題になりそうなのだが、彼女のこの手の発言については予め取り決めがあるらしく、 本人もネタで言っているだけなので本気にしないようにと一部関係者にはすでに釘を打っているらしい。
 なお、質問のカテゴリというのがあり、カテゴリは魔法剣に関する質問とプライベートに関する質問の2択しかないので、 魔法剣に関する質問以外はすべてプライベートに関する質問になるのは必然である。
「ったく。まあいいわ、とりあえずいつもどーり、 プライベートな質問から答えてあげようじゃあないのよ、 クラウディアスでも徹底的に切り込んでいくわよ。」
 いや、切り込むって自分たちのプライベートのことなんだが。

 ということで、プライベートの中でもセクハラ発言処理班を買って出たフロレンティーナは質問を読み上げて答えていた。
「まずは私とリリアと、アリのスリーサイズね。見ての通り、セクシーなおねーさんよ♥  次はバストサイズ、見ての通り、大きなバストの持ち主のおねーさんよん♥  次は年齢、見ての通り、年齢不詳なミステリアスなおねーさんよん♥」
 と、調子良さそうに言うと、今度は色っぽく艶めかしい様相で話し始めた。
「うふふっ、そうそう、私は105・67・101でアイカップ♥  つまり――ぼぉん♥きゅっ♥ぼぉおん♥のおねーさんよぉん♥  ちなみに今の情報なら”こちら”に書かれているわ――ウフフッ……」
 と、最後に不敵な意味を浮かべながら得意げに言い放った。 ちなみに”こちら”というのは彼女のスリーサイズなどが書かれている公式ファンサイトのURLだった。
 それに対して会場は笑いどころか、おおーっという歓声に包まれていた。
「ウフフッ、もしテストに出るとしたら、どっちか書いた賢い子を全員正解にしてア・ゲ・ル♥」
 まさに彼女からのリップサービス、流石はセクシー担当の彼女である。だが、彼女は態度を翻すと――
「ああそうそう、言っとくけど私もリリアもイケメンしか興味ないし、 アリにちょっかい出そうもんならそれ相応の覚悟をしてもらうことになるから、それだけは覚えときなさいよ?」
 すると、それに対して会場全体が一体となり、男女含めて「はーい!」と答えてきたのである。 流石はフロレンティーナさんである。 ちなみに、モニタには”アリと付き合うための条件はこの4つ! 1つ、付き合う前に死を覚悟しろ!  2つ、そもそもどこの馬の骨とも知らないヤローは却下! 人生から退場させられてももんく言うな!  そして3つ、アリと付き合いたいというやつはこの私を倒してからにしろ!  最後に、そもそも彼女を倒せるほどの力量がない男は却下!”と書かれていた。 これは講義でいつもリリアリスが語っているセリフである。
「本当にわかってんのかしら?  それにしても、また随分と面白い質問があるじゃないのよ、フローラさんの下着は何色、ですって!  うふふっ、いいわねえ――私にそんなに興味があるのかしら?」
 が、彼女はすかさず言った。
「あっ、でも、さっきも言ったとおりだけどイケメン以外はお断りだからね、それ以外は気安く話しかけないでよ。 例えば話しかけてもいいのはそこの席の、右から……一つ飛ばして一つ飛ばしてもう一つ飛ばして私のお隣にいるシャナンパパとディア様とヒー様ぐらいかしら♥」
 会場は笑いに包まれた、ってか居ねえのかよ! と突っ込まずにはいられない男性陣。 フロレンティーナはそのまま下着の色については答えなかったが――彼女がその場から退場する際、 振り向きざまにチラっと、スリットが大胆に入っているスカートの中が――銀……あなたもミスリルですか。 それもそのハズ、リリアリスが持っている予備を彼女も身にまとっているようだがサービス精神旺盛な彼女、できるだけ露出を高めようとしているらしい。
 と、ここで今までならリリアリスとアリエーラとフロレンティーナが下着代わりに身にまとっているミスリル銀繊維のそれの件になるのだが、今回はその件はなかった。 何故かというと……今回は別の話題が質問に乗っているからである、今回はもはや渡す相手もいないのだが。