レビフィブ島が終わって次はニテント、そしてソニーエまでが終わった。
やはり復活した自治区については当時の状況で止まっているようで、なんだか不気味とさえ思った。
そして最初に復活させたレビフィブについては何とか調整が付き、
改めてクラウディアス連合国の仲間入りを果たした。
だが、そのソニーエが意外と大変だった、それもそのハズ――
「ティレックスさん! 調子はどうです!?」
アリエーラさんが彼のいる病室までやってきた。それに対して付き添いのユーシェリアが答えた。
「うん、大丈夫! ティレックスだもん、ちょっとやそっとケガしたって寝ればすぐに治るんだから!」
そう言われたティレックスは顔が引きつっていた。
「俺はゲームじゃない……」
そう――彼は満身創痍だった、つまり、ソニーエの魔物に挑んだのはティレックス――
ソニーエの祠内――
「ふあぁあ……ったく、ニテントも大した事なかったし、ここもそんなか?」
ニテントの祠での戦いについてはガルヴィスがあっさりと終わらせていた。
あまりに拍子抜けだったためか、ガルヴィスは半ば飽きていた。
しかし、そう言えば――
「とか言いながら、レビフィブのときはリファがいなければヤバかったじゃん♪」
と、フィリスが意地悪そうに言った。しかし、ガルヴィスは無視した。
「それよりも敵の気配が近いから気を引き締めようよ。」
と、リファリウスが促すと、ガルヴィスが――
「つってもだな……ま、やるからにはやるが――」
半ば気怠そうな感じに言った。すると、リファリウスは後ろをそっと見てから言った。
「なるほど、この程度は敵ではないし、自分の出る幕とも言えないと、そういうことか。
だったらここは後ろで半端ない緊張感に包まれているエンブリア組に頑張ってもらうというのはどうかな?」
するとアーシェリスがもんくを言った。
「はぁ? なんだよそれ、だったらお前がやればいいじゃないかよ、いつもみたいに得意げにな!」
だが、それに対してガルヴィスが――
「名案だ、リファリウスのクセにたまにはいいことを言うじゃないか。
そうだな、ぜひそうしてもらおうか」
それに対してアーシェリスとティレックスがクレームを。
「なっ!? おい、ふざけるな! なんで俺らだけでなんだよ!?」
「そうだよ! なんでだよ! 絶対におかしいだろ!」
するとガルヴィスが言った。
「特にフェリオースとかいったか、お前はいつも大口を叩いているからな、
ちょうどいい機会だ、その実力をぜひこの場で示してもらいたいもんだな」
だが、フェリオースは……
「それ、俺の名前……」
と、小さな声で言った。というのも、ガルヴィスが話をしている相手は――
「んだとテメェ! 上等だゴルァ! そこまで言うんだったらやってやるよ!
それに俺の名前はイールアーズだ! しっかり覚えとけバカヤロウ!
野郎を始末したら次はテメェの番だからな! 首洗って待っとけ!」
ということである。確かに一番大口を叩いていそうなやつである。
それに対して――
「だってさ、ほら。キミたちはいかないのかな? またあの”鬼人の剣”にでっかい貸しが作れるかもよ?」
と、リファリウスはアーシェリスとフェリオースに対して意地が悪そうに言った。
「ちっ、そういうことならやってやってもいいだろう。
お前よりも手際よく倒してやるからしっかり見とけ! ほら、行くぞ! フェリオース!」
と、アーシェリスが妙にやる気満々になっていた。
当然、”鬼人の剣”にはでっかい借りがあるフェリオースもアーシェリスに続いた。
「なるほど、てことは……これはいかないとダメかもしんないな――」
ティレックスは呆れ気味にそう言うと、しぶしぶ彼らのもとへと行った。するとそこへ――
「ティレックス! 私もエンブリア組だから戦うよー!」
ユーシェリアも参戦した。そう、戦ったのは一部のエンブリア組である。
しかしその結果、ティレックスは満身創痍だが意識はあった。
それこそ腕の骨を折っただけで済んだらしく、それは既に治療済み、ベッドの上でゆるりと過ごしていた。
一方、ユーシェリアは攻撃を被弾しておらず、元気そのものである。それは当然――
「ティレックス♪ 守ってくれてありがとネ★」
と、ユーシェリアはウィンクして言うとティレックスは照れていた。
そんな仲睦まじい2人を見ながらアリエーラさんはニコニコとしていた。
一方、真の満身創痍者はそれ以外である。
「ホント、いつものことながら無茶するよ、相変わらず――」
リファリウスは呆れていた。そこへアリエーラさんがやってきた。
「お三方は大丈夫そうです?」
リファリウスは魔法を止めた、回復魔法である。そして汗をぬぐいながら答えた。
「大手術は終わったからね。
後は生命維持装置的になんとか魔法で凌いでいるところだけど、私も流石に疲れたよ。
ったく、こんなになるまでやり続けなくたっていいのにさ。
素直に”先生! お願いします!”とかなんとか言えば代わってあげるのに、絶対そんなことは言いたがらない。
で、結局なんだかんだ言いながら私の世話になる――無意味な強がりとか勘弁してもらいたいもんだよね。」
リファリウスは呆れていた。それに対してアリエーラさんが言った。
「みなさん、負けず嫌いなんですかね――」
「いや、負けず嫌いというよりかはただただ意地を張っているだけだよ。
そんなことしたって何にもいいことないのに。
まあ、それでも頑張ったことだし、なんとかトドメまで刺せたんだ、これ以上は言うことないかもね。」
リファリウスは両手を上に突き出してあくびをしながら伸びをしていた。
そしてリファリウスはアリエーラさんに訊いた。
「ということで、そろそろお時間かな?」
「はい! みなさんお待ちかねです!」