世界の名はエンブリア、ここに至るまでには容易ならざることがあった。
まずはアーシェリス、彼はエクスフォスと呼ばれる人間に近しい種族の1人。
友人に同じエクスフォスのフェリオースもおり、今も同行中。
出発の地、エネアルドでは徴兵制を敷いており、彼は戦争に駆り出された。
その戦争というのはシェトランド人と呼ばれる種族による侵攻で、ファルクス半島付近で彼らから自分の島を守ろうとした。
だが、その戦いについてはそもそも別の者に仕組まれたことが判明し、その際に対峙していたシェトランド人とは和解、
それと同時に戦を仕組んだ者を突き止めるため、そいつの野望を阻止するべく旅に出た。
そして、その元凶となる宿敵ロバールを討つことで決着をつけるに至る。
ティレックスもまたアルディアスの徴兵制度により、戦争への参加を義務付けられていた。
種族アルドラスティスは普通の人間のようだが、実は魔獣の血を引いており、戦闘能力が多少高いのが特徴。
ただし、どのような魔獣の血なのかは個体によって異なる。
戦争は長きにわたるディスタード帝国軍との死闘。
最初は帝国のマウナ軍との激闘だったが、ガレア軍との共闘によりこれを撃破。
そして、クラウディアスを狙わんとするディスタード本土軍との対決にも参加し、
今ではクラウディアスとの関係も深くなっている彼は幼馴染のユーシェリアと共にクラウディアスにあるアルディアスの大使館に在籍している。
ただ、ユーシェリア共々クラウディアスのお偉方とは仲が良く交流も深いため、クラウディアス城の4階にある部屋を使用している。
クラフォードはフェアリシアと呼ばれるセラフィック・ランドの都市で過ごしていた留学生であり、地元はグレート・グランドのティルアにある。
種族はバラトール人、アルドラスティスのような特徴はないがこちらも戦闘民族であり、能力が高いとされる。
フェアリシア消滅の折にティルアへと戻りそこの自衛団団長としてその頭角を現すようになると、後に”万人狩り”の異名を持つようになる。
そして彼もまた、クラウディアス連合国においてはすっかりと重要人物の一人となっていった。
ディスティアは元々ディルフォードという名前のシェトランドの民であり、オウルの里を根城に各地へ傭兵として派遣されていた。
シェトランド人は石の民ともいわれる通り身体がやや無機質的で至極頑丈、故に戦闘能力はエンブリアにおいてほぼ最強と言われるほどの脅威なる種族。
そのため多種族などからは特に恐れられており、彼の場合は”万人斬りディルフォード”と呼ばれていた。
だが、宿敵となるセイバル人に自分の愛すべき人・エレイアがとられると彼は人生に絶望、名もなき放浪者となる。
しかしとある出来事を境に一念発起、今後は”万人斬りディルフォード”であることを捨てて”賢者ディスティア”へと改名、
エレイアを助けることに成功するとオウルの里を出て、結果的にクラウディアス連合軍のもとで過ごすようになる。
今ではエレイア改め、賢者レナシエルと共にクラウディアスで過ごしている。
リファリウス、”フェニックシアの孤児”としてこの世に登場し各地で大活躍しているんだか大迷惑をかけているんだかという変わり者。
時にはルシルメアにある大勢力レジスタンスのリーダー・リヴァスト、時にはディスタード帝国のガレア軍の将軍アール、
そして時にはクラウディアスの幹部では最高権限を持つクラウディアス特別執行官の一員と、
大きな権力を持ちながらもその国・地域のために寄与するという欲のない人間である。
変わり者であるため、欲がないというよりも独自の思考回路で当たり前ベースに事を運んでいるだけかもしれないが。
ただ、アーシェリスもティレックスも、そしてクラフォードもディスティアも彼にお世話になっていることだけは確実である。
アーシェリスは宿敵ロバールを討つためにいろいろと力を借りているし、
ティレックスだってディスタード帝国のガレア軍にはずいぶんとお世話になっている。
クラフォードもクラウディアスやガレアの働きかけがなければ実行に移せない作戦もあったりと彼との関係については切っても切れないわけだし、
ディスティアについては一念発起するきっかけがまさにリファリウスとリリアリスによるものであり、こちらも切っても切り離せない間柄である。
だが、リファリウスについては”フェニックシアの孤児”であることがそもそもの問題であり、今後の話においてはもっとも重要となる要素でもある。
そう、”フェニックシアの孤児”は”ネームレス”と呼ばれる存在なのだ。
ところで、ディスティアとリファリウスと言えばとあるものすごい能力の持ち主としても有名だが、それは主に女性を中心に人気の能力である、
そう、イケメンと呼ばれる神補正の持ち主ということである。
なお、リファリウスについてはややあるためともかく、以降はディスティアのことは時々”ディスティア様”と呼ばせていただく、正式には”ディア様”だが。
”ネームレス”、最初はリファリウス個人が定義したものであり個人的な名称だったのだが、
クラウディアス連合国が提唱する”天命の刻30”記念式典の国際会議の場においてその存在を公表することで、
いよいよ公の場で通用する名称へと昇格した。
”ネームレス”というのはこのエンブリアにおいて”突如として出現”し、”出現する前の記憶は一切ない”、
この世界で活躍しているような歴戦の英雄たらしめる存在、何かしらの名を冠するものたちの力すら及ばないほどの”驚異的な能力の持ち主”のことである。
そう、名のある存在とは対照的に名がないのに歴戦の英雄たらしめるほどの能力者であるという特徴から”ネームレス”と命名したのである。
そして、その”ネームレス”にまつわる問題として今回クラウディアス連合国では新たな取り組みが行われることとなったのである。
新たな取り組みが行われることとなった背景についてはエダルニウスのガリアスという存在が関係している。
彼もまた”ネームレス”だったわけだがエンブリアにおける脅威となる存在であることからクラウディアス連合国によって討伐され、
エダルニウスは無力化し、解体した。
そして、ガリアスが握っていた情報が足がかりとなり、”ネームレス”の真相が追えるのではないだろうかという話に至った。
それにより、とある出来事をきっかけとしてとある計画が打ち出されたのである。
その名は”セラフ・リスタート計画”、なんと、現在進行形で消えゆくセラフィック・ランドを復活させていこうという計画である。