フロレンティーナもリファリウスの策に加担することとなった。
無論、予定を変えずに作戦を行うことである。
この時点で残っていた問題はやはり、ラミキュリアがどうなるかということである。
ベイダ・ゲナの怒りを一番に買った存在――まあ、リファリウスのサプライズが主な原因なのだが、
だからと言って、彼女が一番狙われていることは避けられない。
そこで、それについて、フロレンティーナとも相談して、どのように作戦を決行するのかを計画したのである。
そして、本土軍の作戦が失敗に終わった後、アール将軍の執務室にて――
「なーんか、やたらと私が誘惑魔法を受けることになった作戦だったなぁ……。」
それに対してフロレンティーナが楽しそうに誘うように言った。
「当たり前でしょ、ア・ナ・タ♥
毎日妻のいい香りを感じるのは当然のことでしょん♥」
そう言われたアールは呆れながら言った。
「私にはいつの間にか5人の妻がいるんだもんな、何がどうなっているのやら。」
それに対してフロレンティーナが嬉しそうに言った。
「ウフフッ、その5人の中でも、この私が一番素晴らしい女であることを教えてあげるわ♪
さあアール将軍様、いらっしゃいな――ウフフフフ♥」
誘惑魔法をまといながら誘ってきたフロレンティーナ、リファリウスに身体を密着し、彼を取り込んできた――
「まったく、これから出かけるって言っているのに仕方がないお姫様だな。
でも、他ならぬ愛する美人妻の願いだからね――」
そう言いつつ、リファリウスは彼女をお姫様抱っこをして抱えあげた。
「それにしても大胆でセクシーで綺麗な長い足だね。
それになかなかの美人だし、今まで相当モテていたに違いない。」
フロレンティーナの服装はトップスは黒の水玉柄の白リボンオフショルダーブラウスを相変わらずセクシーに着こなしているが、
ボトムスはベージュのフレアーのミニスカートで、セクシーで綺麗な長い足を大胆にさらけ出していた。
「まあ、あなたったら♪ この私のことが欲しかったのね♥
でも私はアナタのモノ――この大きな胸も綺麗な生足もアナタのモノ――
この私にいくらでも好きなことをして楽しんでくださいな♥ ウフフフフ――」
と、さらに誘惑魔法の濃度を濃くしてリファリウスを誘惑していった――
それに対してリファリウスは再び呆れ気味に言った。
「ヤレヤレ、手のかかるお姫様だこと。とにかく、さっさと用事を済ませてくるよ。」
「はい、あなた♥」
やはり誘惑は効いていない。だが、フロレンティーナとしても、効いていないことを承知の上でのことらしい。
2人はそのままルシルメアへと向かうことに。目的はガレア排斥の流れからの正常化である。
もとはフロレンティーナの誘惑魔法によって賛成派を無理矢理多数にした法案だったのだが、
既にバックアップも準備されており、排斥法は廃案となったのである。
アルディアスについても同様だが、ガレアでの本土軍上陸の一件もあり、
本土軍が画策したことであることを知った各国はガレア排斥の流れから徐々に手を引き、
流れはガレアとの国交を正常化しようと変わっていった。
それによりむしろ、本土軍の立場がさらに苦しくなっていったことは言うまでもない。
特に、ネストレールをはじめとする重鎮たちを一斉に失ってしまったことが響いていることだろう。
もっとも、それはアールの画策した本土軍重鎮一斉排除作戦の計画通りなのだが。