エルゲリアス、金色のスーツのような鎧に身を包み、その上から赤いローブのような衣装を身にまとっていた。
「バルザンド帝国はもう滅びるハズだ……お前たちももう終わりだ、船ももうない――」
フローナルはそう言うと、エルゲリアスは頭を抱えていた。
「ああっ、そうだな、そうだった。
おかげで母星でそっくり返っている連中も一度に死んで清々した。
やつらは傲慢すぎるのだ……銀河連邦を陥れる方法など他にもたくさんあるだろうに、
変に拘りおったからあのような目に遭ったのだ、自業自得だな……。
だが……確かに、あの船を破壊されたのは少々痛手だな、そいつばかりは流石に堪えるな……」
と言いつつ、エルゲリアスは不敵な笑みを浮かべながら言う。
「だから一番手っ取り早い方法として貴様らが乗ってきた船をもらうことにしたのだよ。
それならどうだ? 簡単な話だろう?」
そんなこと……させるもんか――フローナルはもがいているが――
「だが……バカ正直に使わせてもらえるとは流石に考えてはおらんのでな。
だからそのためにはまず貴様にも邪魔な者共の掃除を手伝ってもらいたいのだ、
どうだ、頼めるか?」
誰がそんなことを……フローナルは力なく言うと、エルゲリアスは――
「ああ、そうだったな、言われてみれば貴様もまた銀河連邦の連中の一味だったか、残念だ――」
と言いつつも、エルゲリアスはわざとらしくはっとした態度言った。
「そうだ……時に貴様、こういう話を聞いたことがないか?
フェレストレイアの女というのはその美貌と色香を操り星を支配しているのだそうだ。
そしてその色香の源というのは彼女らに流れている血によるもの……
つまり、その血が流れているのならどんな者にも色香が自在に操れるというわけだ……」
その話は……
「だが、だからと言ってやはり誰でもいいというわけではない……
彼女らが自負しているのはやはり美貌……ゆえにそれもまた大事な要素というわけだ。
そこでだ……我らは彼女らの星でとあるものを奪った……
”先代のフェレストレイア女王の子宮”だ――」
まさか、こいつ……!
「そして彼女らに流れる妖かしの血というのは主にその子宮があるからこそなのだそうだ。
そして、それを宿すことで如何なる生物をも痴女に変えることができると言うからには面白い話ではないか!
だから――」
すると……女神フェルリン様が立ち上がるとセクシーに歩き出し、
フローナルの前まで迫ってきた……バストとスカートが妖しく揺れ動く――。
「ウフフッ、そしてこの私がその痴女よぉん♪ 女になるんだったらなんだっていいわぁ♪
だからそれと引き換えに彼らに勝利をもたらす女神様になることにしたってワケ♪
これはもう即決するしかないわよねぇん♥ ウフフフフ♥」
そしてさらに彼女は迫り……否! これ以上の表現は不可能だ!
表現放棄の後……フローナルもはや正気を保っていない……。
そして女神フェルリン様はフローナルに縛られている手足をほどくと、今度はなんと、フローナルの耳元でささやいた――
「ウフフッ、それにしても、アンタって本当にイイオトコねぇん♥
もうただのオスなんて辞めて、このアタシの美貌のための手足として仕えることになさいな♥
そこで早速命令してあげるわぁん……嬉しいでしょう……ウフフッ♥
私ね、このいい香りが通用しない汚いメス豚には一切興味がないの♥
だからそんな家畜共は皆殺しにして……♥
そして、この女神様の美貌の虜になりそうなオス共をこの私に献上なさい……
そしたらあんたにはもっともっとイイコトしてア・ゲ・ル♥」
と、再びその邪悪な唇でフローナルの唇を奪った……。
そしてフローナルは……彼女から離れると跪いた――
「はい、仰せのままに、女神フェルリン様……俺は……女神フェルリン様の美貌のための手足……
女神フェルリン様の命令は絶対……すべては美しくて、素晴らしい……女神フェルリン様の意のままに……」
こっ、これはマズイ――
それと同時に施設内やコンテナ内にあった女神フェルリン様人形が意思を持っているかの如く次々と動き出した……。
人形から放たれる彼女の色香は男たちを虜にし、そしてすべてを奪い去って行った……。
無論、メテオ・ナイツにもその魔の手は伸びると男たちは完全に女神フェルリン様の言いなりとなり、
女たちはなすすべもなく拘束されていく……。
だがしかし、世界滅亡のカウントダウンは止まることはない……。