外と言っても真っ暗な闇の世界のような場所、
僅かに照らされている光を頼りに進むと――
「ここか? なんとも原始的な遺跡があったもんだな……」
といいつつ、フローナルは何やら機械のようなものを取り出し、
遺跡に向かってそれをかざすとじっと眺めていた。
「該当なし、類似する建造物は――”古・シュラウト文明の遺跡”ってことは比較的新しめの時代の文明のものってことか、
それがなんでこんな所にあるんだ?」
そういいつつ、フローナルは遺跡に触れようとすると――
「おいおいおい、いきなり随分なご挨拶だな、手荒い歓迎を受けるつもりはねえが仕方がねえ……」
と言いつつ、男は背中に背負っている重機を取り出し、後ろへ振り向きつつそれを構えた。
僅かな光がその場を照らと、そこには何やらトカゲのような魔物が2体ほどいるようだ。
さらに光はフローナルの特徴的なツンツン頭と少々色白の肌の色を照らし出していた。
そして、彼の手には大きな重機……いや、まるで大きな剣の形を成したものが――
「早速始めようぜ」
そして――フローナルは魔物に向かって激しく切りかかった――
「はああああっ!」
「グギャアア!」
改めて、フローナルは遺跡の取っ手のようなところをつかむと、力づくで――
「ん? 手ごたえがないな? そうか、要救助者が一度こじ開けているのか。
しかしなんでわざわざていねいに締めているんだ?」
フローナルはそう思いつつも、力を入れずに扉を開けると――
「ドアレールに緩衝用のゴム……勝手に締まるタイプの扉か、
確かにそこそこの文明レベルの建造物ってことは間違いなさそうだな。
なるほど、それで要救助者は調査に向かったというわけか――」
と、考えていた。さらに遺跡の内部へと進むと、そこは――
「これは鉄筋コンクリートというやつだな、
しかもこの粉塵具合から察するに”石綿”とやらが採用されているやつか。
肺に入ったらやばそうだから保護バリアを切らさずに行くか――」
なんとも文明的な内装で整っていた。
そして彼が扉に入ると、背後の扉はドアレールに沿って扉の側面についている緩衝用のゴムで軽く1バウンドしつつ締まった。
だが、内部の様相はなんとも荒廃しており、フローナルは粉塵の中を突き進むこととなった。
「保護メットがあればよかったかな……でも、剣振り回すときメット邪魔だしな――」
フローナルは悩んでいた。すると――
「ん? なんだ?」
しばらく歩いていると何やら広い空間が現れ、そこには破損した大きなガラス容器がいくつか置いてあった、これは――
「情報じゃあ何かの研究所と言っていたが――一体何を研究していた?」
そう思いつつ、フローナルはあたりを探していた。と、そこへ――
「おっと、近くにいるのか――」
彼はおもむろに何かしらの機械を取り出すと、その機械を操作しつつ眺めていた。
「信号の分析が完了――なんだ、うちの所属だったのか。
でも、だったらもっと早く特定できてもよかったのにな――ということは……?
この研究所から信号にノイズを乗せるような特殊な電波が発せられているということか……?」
そう考えつつ、フローナルは機械を操作すると――
「ん? 発信源から半径10メートル内に接近? 随分と近くにいるんだな。
だが、それらしいものは――」
と、考えつつ辺りを見渡すと――
「あれは!」
何かが倒れていた、あからさまに人だ。
フローナルは慌てて駆け寄り、そいつの安否を確認した。
「おい! どうしたんだ! 何があった!」
しかし、返事がない……。
「ちっ、こいつはもうダメだな……こいつも、こいつもか――」
そこには何人かの遺体が横たわっているようだった。
しかしそんな中――
「おっ、お前!」
そんな中で、酷い流血の状態で壁にもたれかかっていた男を発見した――辛うじて息があるようだ。
「お前! 大丈夫か!? 待ってろ、今助けてやる――」
しかし、その男は――
「気をつけろ、何かいるぞ――」
なんだ!? フローナルはそう言われて警戒していた。と、その時……
「グワアアア!」
背後から魔物が! 先ほどのトカゲとは違う大型のサソリのようなバケモノだ!
「なんだこいつは!? クソッ、やってやろうじゃねえか!」
フローナルは魔物に向かって果敢に立ち向かっていった!
ある世界でのお話。
さて、今宵はどのような冒険譚が紡がれるのであろうか……。
運命の黄昏 ~エンド・オブ・フェルドゥーナ~
Dawn of Fate -End of Ferduna-