アーカネリアス・ストーリー

第6章 伝説との邂逅

第151節 流星の騎士団大集結!

 また2年が経過した。 今更にはなるがメンバーが出そろったため、いよいよ年齢の話でもしよう。
 流星の騎士団の結成初期時期から在籍しているアレス、ロイド、シュタル、そしてライアの4人は当時は18歳だったが、 あれから10年が経過し、28歳となっていた。 さらにその次にリアントスとスティア、そしてクレアと、少し加入時期が離れてレオーナも初期メンバー4人と同い年である。
 それからロイドの4つ下の妹のネシェラが加わり、同い年のセレイナも加わった。 最初の4人の血縁で言えば、ネシェラの他にはシュタルの兄のランバート38歳と母のナナル64歳、 ライアの姉のアルクレア40歳と、母のアムレイナ68歳がいる。
 また、流星の騎士団と名乗ることになる前のメンバーだったルイスは後に再加入を果たした。現在は42歳。 このあたりの中堅の歳の者、30~40歳で言えばゼクス40歳とディラウス32歳あたりとなるだろうか。 ディラウスは例のウサギだが、何気に年齢はこのあたりだったりする。 さらに上の年齢となると、エンダリフ52歳、ランブル50歳、セディルが62歳とシャオリン68歳である。
 なお、この中には人間族のみならず精霊族も含まれるため、 そういった者については人間の年齢の基準としては正しくない者がいる。 たとえば初期メンバーについてはアレス以外の3人がそれにあたる。 若手ではそれ以外にネシェラ、セレイナ、クレア、レオーナあたりがそうだ。 さらに上の世代ではランバート、ゼクスがそれに相当する。 さらに上となると、基本的には全員が精霊族である。
 このように、流星の騎士団は精霊族が多い構図となっているが、案外この世界ではそういう構図に収束しつつある。 理由は簡単、寿命が長いから。 但し、人間の世であるアーカネルにおいては人間族のように勢いよく積極的に活動するわけではないので勢力図では人間族が圧倒的多数ではあるが、 ロイドなどのように、人間の世であるアーカネルでも精力的に活動しようという精霊族は半ば寿命の暴力を用いてまで活動しようという連中ということである。 だが、ロイドの言うように、そういった精霊族は人の世に出て人と等しく活動しようという者ばかり故、基本的な考え方は人間と同じである。 つまり、単に人種が違うだけだと思えばそれが正しいということである。それだけ流星の騎士団には意志の強い者ばかりが集まっているということだ。
 さらには異質ではあるが、この精霊族の中にはプリズム族という者がいる。 該当者は略すが、通常の精霊族とは大体似たような考えの持ち方こそしているも、彼女ら独自の考え方も持ち合わせており、それだけに意志はさらに強いと言える。 さらには人間の年齢の基準にも通常の精霊族とは大きな差があるのも特徴。 生物が活動するうえではなるたけ若い方がいいというのはまさにその通りで、どの種族も大体その傾向にある。 人間は1年に1つ年を取る計算ではあるが、精霊族となると、10代後半頃からこの年の取り方に対して人間族よりもたくさん時間を要するようになるのである。 そのため、アレスは28だが、同じ年数だけ生きているハズのロイドとシュタル、そしてレオーナとクレアはみなし21歳と、明らかにアレスのほうが老けて見えるわけである。 さらにプリズム族はその性質故にさらに年月が必要で、みなし18歳となんとも背徳感の強い身体である。
 他の精霊族の者についても、中堅メンバーでは大体みなし20代中盤から後半と、やはり実年齢に比して若い見た目である。 なお、ダーク・エルフについては以前にも書いた通り、そもそもが幼い印象の種族故、見た目上はみなし年齢よりも若い感じがする。 シュタルは言うまでもないが、ナナルやレオーナなんかはまさにその典型である。 対して男性陣、ランバートやゼクスなんかは逆にそう見られないように気を使っているところがある。
 だが、異質なのは当然プリズム族で、セレイナがみなし16歳と年齢差がそこまででもないが、 アルクレアがみなし20歳、最年長のアムレイナと次点のシャオリンでさえみなし24歳程度というまさに美魔女を地で行くような種族であるのが彼女らの特徴である。
 ということで以上……えっ? ウサギ? ウサギは中身人間なので……まあ、ウサギは所詮ウサギなのでどうでもいいだろう―― 一番どうしていいかわからんやつなので説明を放棄するっ!
 ということで改めて以上、総勢21名――今回の謎を追うための精鋭たちが集まり、休日にて一同に介していた。するとそこへサイスが現れた。
「どうしたの?」
 ネシェラは訊いた。サイスはなんと、ディアスと例のヴァナスティア勢の2名……ディライドとシュシュラを連れてきていた。
「お話があるそうです」

 その前にサイスから話があるらしい。
「ティバリスさんの行方までおおよそ見えてきたようですし、私もそろそろ本格的に流星の騎士団員として活動しようかと思いまして」
 ネシェラは得意げな態度で答えた。
「あら、そう――。くれぐれも足だけは引っ張るんじゃないわよ。」
 だが、サイスはただにっこりとしているだけだった。そこへディアスは――
「私も頼む! このままでは――退いた連中は亡くなった連中にあわす顔がない……」
 その気持ちは痛いほどわかる――もはや無念としか言いようのないものだった。
「魔物ねぇ……」
 ネシェラは腕を組んで悩んでいた。
「ん? 何か?」
 サイスは訊くとネシェラは首を振った。
「ま、ここまで来れば元凶は見えているけどね。」
 本当か!? ディアスは訊いたが、ネシェラは――
「ただ、問題は尻尾をつかませてくれないこと。 こうなったらこっちも手段を選んでいる場合じゃないわね、だから徹底的に殴りこんでいくわよ。」
 と言った、相手はやはりクレメンティルか。しかし、彼女はそもそもどういうふうに疑っているのだろうか。 クロノリアの件から? シルルが言ったから? 払しょくできていない執行官時代のクリストファーの謎?  ……なんだろう。
「ところで、そちらの2人は?」
 セレイナが訊いた、ヴァナスティア組のことである。
「あんたらが殴り込みをするって言うからな、それならと思って、俺らも協力者として手伝いに来たってわけだ。 人手は多い方がいいだろ?」
「そうよ、ネシェラ! また昔みたいに一緒に仲良くしない?  お母様まで入れてくれているんだから私を拒む理由はないわよねぇ?」
 ディライドとシュシュラはそれぞれ言うと、ネシェラは嬉しそうに答えた。
「ふふっ、私たちにはなんとも頼もしい味方がいるのね。 そうと決まったら、早速行動に移すわよ!」
 ……追加の団員4名。 ディアス60歳、ディライド32歳、両者については人間族なので年齢相応のみなし年齢である。 一方でサイスはアルクレア同様40歳の精霊族でみなし26歳、シュシュラ34歳はプリズム族なのでみなし19歳といういまだに背徳感を引きずっている見た目である。 なお、ヴァナスティア聖騎士団の2人についてはアーカネル騎士団への出向扱いとなるそうだ。
 ということで、再度改めて流星の騎士団、総勢25名……彼らの目の前には何が立ちはだかるのだろうか。

 ロイドは訊いた。
「ところでネシェラ、お前、やっぱり根クリストが怪しいと思うのか?」
 ネシェラは頷いた。
「ええ。お兄様もそうでしょ。」
 ロイドは頭を掻いていた。
「まあ……俺はそもそも最初のクロノリアの件から全然腑に落ちていない。 その後に言い訳がましく説明されたが、それもそんなに納得しているわけじゃないんだ、 もっともらしいと言えばもっともらしいけどな。お前はどうだ?」
 ネシェラは得意げに答えた。
「それもあるけどね。でも今回の件、そもそも容疑者って実はそんなに選択肢がないのよね。」
 なんだって!? ロイドは驚いていた。
「お前についてどれだけ驚けばいいんだ俺は……」
 むしろ、それを通り越してもはや呆れていた。