驚愕の事実を知ったチュリンカ、リヴァストもとい、リファリウスと話をしていた。
話を訊くことにしたようだ。
「リヴァストとアール将軍様、そして、リファリウスが同じ人物で――」
チュリンカもとい、フロレンティーナはがっかりしながらそんな話を聞かされていた。
「私に色仕掛け――誘惑魔法を含めてそれを仕掛けてきた女性の数、妖魔の数も含めてそれなりにいたと思う。
しかし、残念だけれども、そういうワケでことごとく効かないんだよね。
そして、だからこそ、ガレアという場所はああいう国なんだよね。」
それを聞いたフロレンティーナ、すべてを理解し、リファリウスの話に頷いていた。
「なるほど、確かに――うまくできている話ね、でも、まさかそれが――」
リファリウスはお茶を飲みながら言った。
「にしてもラミアか、女とバレて上司を始末し、今やネストレールの傘下というわけか。
フラウディアさんは結構可愛かったけど、あなたもなかなかだね。
生物兵器としての存在理由を考えると、手術前からなかなかのド美人だったのかな?」
それに対してフロレンティーナは楽しそうに言った。
「ええ、そう。術前から彼氏がいたのよ♪
術後もなんだか急に身体が変わって――たまーに不安になることもあるけれども、
まあでも、本土軍から退役したら……そうね、いろいろと、自分の身体をきちんと見直したり、
新しい恋でもしたり、いろいろと新しいことを始めようかなと思ってる」
リファリウスは頷いた。
「そうだね、それがいいよ。
でも、ここにいる間、本土軍にいる間は逃れられない――不自由があるわけか。
それはやっぱり”ムチ”なんだろうね――」
それに対してフロレンティーナは答えた。
「”ムチ”は上司と一緒に始末したわ。だから、私を縛るものはもうないのよ――」
ということは――リファリウスは言った。
「じゃあ、やっぱり”彼女”が心配なのか――」
すると、フロレンティーナは立ち上がりつつ、リファリウスのほうを向いて真剣なまなざしで聞いた。
「そう! 私はフラウディアが心配なの! 彼女をどうしたの!?」
すると、リファリウスも立ち上がりつつ、にっこりとしながら話した。
「彼女に会いたい? とにかく、一緒に来ればわかると思うよ。」
あたりはすっかりと暗くなっているが、2人はそのままルシルメアから脱し、ラミュールの里へとやってきた。
「フラウディアが言ってたわね、東には妖魔の森があって、そこに彼女らの里があるって。ここがそう?」
「まあ、そういうことになるね。
みんな、種族的に美人ばかりが集っている感じだけど、その本質はフローラさんとだいたい同じ。
言っても、フローラさんは純粋なラミア族ではないから、変なしがらみもなく、
普通にプリズム族とも仲良くなれそうだけどね。」
「精霊族と魔族は相容れないってこと? 本当なの?」
「昔はそうだったみたいだけど、今はそれほどでもないかな。
でも、女同士は別で、結局は人によりけりっていう向きが強いみたいだね。」
「女同士は別――確かに、そういうことならわかる気がするわ――」
話をしながら妖魔の森を突っ切っている2人、すると――
「この崖の下だね。さて、少し拝借してもよろしい?」
そう言いながら、リファリウスは両手を差し出すと、彼女は戸惑いながら返事した。
「えっ、ええ――何をするの?」
すると、リファリウスはフロレンティーナをお姫様抱っこで担ぎ上げた。
「えっ――!?」
「さあ、行くよ、お姫様。」
そう言うと、リファリウスはそのまま崖から飛び降り、見事に着地した――
そして、リファリウスはお姫様を立たせながら聞いた。
「さて、無事に到着したよ。」
すると、フロレンティーナは顔を真っ赤になりながら言った。
「ちょっ、ちょっと! 手慣れているでしょ! 絶対にほかの女でもやってるでしょ!
なんていうか、こんな……ずるいじゃない! 絶対にイイ男補正かかってるんですけど! ずるすぎるわ!」
それに対し、リファリウスは得意げに言った。
「ん? なんかダメ? ほかの女にって――まあ、たくさんやってるけどね。」
すると、フロレンティーナは言った。
「そっ、そんなの、ずるいじゃない……。 もちろん、帰りもするのよねぇ?」
「帰りだけとは言わず、ご所望ならいくらでも。」
「じゃ、じゃあ、また今度、絶対にやってちょうだい! あと、帰り道は町に着くまでの間までやって!」
「まーったく、わがままなお姫様だこと。」
フロレンティーナはとても嬉しそうで、リファリウスは得意げだった。
そもそもフロレンティーナはこいつの心を奪い取るつもりだったハズなのに、
いつの間にかその立場が逆転している――リファリウス、恐るべし……。
2人は長・ララーナの家へと赴き、フラウディアのいる客室へと向かった。
彼女の周りには3人の女性が集まっており、肝心の彼女はベッドの上に横たり、ぐっすりと眠っていた。
「そっか、フラウディアもこの道を選ぶことにしたのね――」
フロレンティーナは安心したようにそう言った。するとリファリウス、
「せっかくなら仲良し姉妹水入らずで一緒にお休みしたらどうかな?」
と、気を利かせるように言った。フロレンティーナはお言葉に甘えることにした。
ラミキュリアとシェルシェルはそのままシェルシェルの住まいへと移動したが、
ララーナとリファリウスはそのままララーナの部屋へと向かった。
「プリズム族の長たるお母様の神聖なるスペースで寝泊まりさせていただけるなんて光栄だね。」
リファリウスがそう言うと、ララーナは嬉しそうに言った。
「うふふっ、だって、あっちには仲良しさんが水入らずで楽しんでいるのですもの、
それの邪魔するなんて野暮なこと、あなたにはできませんものねぇ――」
「まっ、それはそうなんだけど。
しかしそうなると、私はお母様の誘惑魔法に包まれて二度と目覚めなくなることになるわけか。」
リファリウスは得意げにいうと、ララーナはなおも得意げに言った。
「うふふっ、もちろん……このようなところにいるエモノ、みすみす逃すなんてあり得ませんわ♪
今後はプリズム族の繁栄のための礎としてこの私に身も心もすべて捧げていただきますわ――」
それに対してリファリウスはまた得意げに言った、なんでこの人たちはそう言う話を平気でしているのだろう――
「こんなに美しいプリズム・ロードの女神様の虜となるのなら本望ですよ。
そして私はシェルシェルさんの新しいお父さんになる――なんとも魅力的な話だなぁ……」
でも、それに対してララーナは楽しそうに言った。
「いえいえ、あなたのような麗しい方でしたらシェルシェルももらってあげてくださいな♪
私は5番目でも構いませんわ♥」
5番目? リファリウスは訊いた。
「シェルシェルはアール将軍様の第1夫人、ラミキュリアは2番目、
フラウディアは3番目だって、あの子らは得意げに話していましたよ。
それに――あのフロレンティーナの様子から察するに、4番目を名乗り出てくることでしょう。
そしたら私は5番目になりますね♪」
リファリウスは呆れた様子で答えた。
「流石は妖魔の女性、なんともたくましいことで――」
「私たちにとってオスという存在は貴重な存在です、種族繁栄のためにはそれぐらいのことは辞しません。
1対1で添い遂げられることもありますが、それをするものは元来少ないほうです。
無論、子供ができる確率の問題もあり、貴重な男を獲得するのみならず、安定的に確保することも重要となります」
とはいえ、ラミキュリア、フラウディア、フロレンティーナは純粋なプリズム族、あるいはラミア族ではないため、
実際にはどう考えているのか不明である。
「それよりも、夜も遅いので早くお休みしましょう――」
そう言いながら彼女は話を切った。そしてベッドの中へと入ると――
「さあ、おいで――」
彼女は誘惑魔法をまとって誘ってきた――リファリウスは誘われるがままに彼女の胸の中へと――
「お母様――」
ララーナは、まるでわが子を抱くかのように優しいまなざしでリファリウスを抱きしめていた。
「例え5番目だろうと、女は順番ではないことを教えて差し上げますよ♪」
「流石はお母様――お休み――」
リファリウスは彼女に抱かれながらぐっすりと眠りこんだ――
「お休みなさい。何でもかんでも1人で背負い込まないでくださいね――」
ここでも言われるのかこいつ……。